超頭脳シルバーウルフ
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『超頭脳シルバーウルフ』(ちょうずのうシルバーウルフ)は金成陽三郎(漫画原作者)が原作を務め越智辺昌義(漫画家)が作画を担当した漫画作品。両氏の初期代表作として知られており、1996年に当作を原作としたテレビドラマも放映された。
目次 |
[編集] 概要
1991年に講談社の漫画雑誌『マガジンSPECIAL』の第2号に読切として掲載された。その後、同年の第7号に再び読切作品として再登場。第10号より連載を開始。翌1992年の第5号まで続いた。単行本は連載雑誌発刊元の講談社より全3巻が発行された。
内容は架空の古代遺跡にまつわるロマンファンタジー。その作風に関しては手塚治虫の『三つ目がとおる』がオマージュにとられていると見られ、単行本において第一話とされている話では、古代人の登場や使われる棒状の武器など、その影響が如実にあらわれている。それ故か、手塚の極右ファンに嫌われやすい作品となっている。
1996年に日本テレビ系列においてテレビドラマ化。ドラマ版ではタイトルを『銀狼怪奇ファイル〜二つの頭脳を持つ少年〜』とした。話の内容も、上記の原作の内容から主人公の設定のみをある程度残すのみとし、怪奇事件を科学知識を駆使して推理する形の学園を舞台としたミステリーものに変更となった。主役(不破耕介 役)は堂本光一(KinKi Kids)。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
不破耕介は非常に気弱で目立たない中学生。幼い頃に両親を亡くし、父親の友人である考古学の教授小早川の元、彼の娘で耕介の担任教師でもある小早川冴子と共に暮らしていた。しかし耕介はある日、家に入ってきた泥棒によって車に轢かれ瀕死の重傷を負う。誰もが彼の死を確信したその時、耕介の脳波に異常が現れた。同時に耕介の体は驚異的かつ瞬間的な回復を見せる。さらにはその時、耕介の髪は銀色に輝いていた。
耕介の変化は一瞬で終わり、奇跡的な回復以外は気のせいだと誰もが思おうとしていた。しかし教授だけは耕介が心配でならない。彼は9年前に「銀髪の耕介」の姿を見ていた。その「銀髪の耕介」は、幼子とは思えぬ程の超頭脳と超感覚を持ち、自らの手で父を殺した人間に対し裁きを下していたのだ。
学校行事である遺跡に赴いた耕介と冴子、そして耕介が心配になり行事の案内役として同行していた教授は、そこで家から資料を盗んだ泥棒に鉢合わせる。さらには彼が不用意に作動させた遺跡の罠で、窮地に陥ってしまう。あげく再び瀕死の重傷を負った耕介は再び「銀髪の耕介」となり、遺跡の謎を解く。
以降、小早川家は数々の古代遺跡の秘密を狙う数多くの機関の争いに巻き込まれていくこととなっていく。戦いの中で「銀髪の耕介」は「シルバーウルフ」と呼ばれるようになり、数多くの敵と仲間を作っていく。最終的にそれは耕介の父を抹殺した天才児選民組織「ローレンツ財団」との戦いへと発展していくことになった。
一方で耕介自身の体もまた「銀髪の耕介」と「普通の耕介」とのアンバランスに蝕まれていく。耕介自身の体が「銀髪の耕介」の能力についていっていないのだ。最終的にそれは「肉体と頭脳の酷使」という形で寿命を削る結果を招くことになる。
そしてローレンツ財団は最終作戦を展開する。彼らは超古代の最終兵器を蘇らせて人類絶滅を企みだしたのだ。耕介は友を救うために財団の本拠へと乗り込み、犠牲を成しながらも財団の主を倒す。全てが終わった後「銀髪の耕介」はいつ果てるともない永き眠りについた。しかし、再び彼の愛する者たちに危機が訪れたとき、耕介の銀髪は再び輝きだすだろう。
[編集] 登場人物
- 不破耕介(ふわ こうすけ)
- 非常にドジで気弱な何のとりえもない普通の中学生。その性格は筋金入りで、常にガキ大将にパシリにされてしまうほど。しかし、実は頭蓋骨内に頭脳を二つ持っており、普段活動しているのはその頭脳の一方のみ。「自らの生命が危険に晒された時」や「自らの愛するものたちに危機が迫るとき」には、普段休眠しているもう一方の頭脳が覚醒し、性格が残酷で危険な自信家に一転。類稀なる超頭脳と超感覚を発揮する。(人格の交代は「二つの頭脳」がそれぞれに人格を有しているためのものであり、多重人格にはあたらない)そのときの耕介は超感覚の発露ゆえか髪が銀髪となり、その姿がまるで血に飢えた銀毛の狼に似ている事から「シルバーウルフ」の異名をとる。
- 小早川冴子(こばやかわ さえこ)
- 耕介の担任教師であると同時に、姉代わりの保護者。非常に強気。耕介を実の弟のように可愛がっている。
- 小早川教授(こばやかわきょうじゅ)
- 冴子の父。大学の考古学教授。非常にお人よしな性格で、故に騙されやすくトラブルにも巻き込まれやすい。遺跡発掘中に抹殺された耕介の父とは友人同士であった。
- ケント・シュナイダー
- その見事な金髪から「金髪の天才児」の異名をとる少年研究者。当初「銀髪の耕介」のライバルとして登場。アメリカ軍を従えて小早川家を拉致し、奴隷同然の扱いをした。しかし土壇場で従えていた米軍に裏切られ、耕介に助けられる。それを契機として、互いにその頭脳の価値を認め合う親友同士となった。
- 周 昇竜(しゅう しょうりゅう)
- ローレンツ財団の一員で「マーキュリー」のコードネームを持つコンピュータ理論の天才児。奇門遁甲および風水の達人。自らの頭脳を過信したが故に古代文明の遺産を暴走させるが、耕介の機転により助けられる。その後、失敗により命を狙われた事を契機に財団を裏切り耕介とケントに力を貸す。
[編集] テレビ化
『銀狼怪奇ファイル』として改名され夜の9時から配信された週一ドラマ。主要登場人物こそ同名であるものの、ストーリーや背景などは全くのオリジナルドラマである。主人公のシルバーウルフも「銀狼」を名乗る。