警察24時
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警察24時(けいさつにじゅうよじ)とは日本の警察の活動を取材したドキュメンタリー番組の総称。
主に春・秋におけるキー局の番組改編期で放送されることが多く、ローカル局主体で制作されるケースはほとんどない(但しIBC岩手放送は全国のローカル局で唯一「岩手県警・消防24時」という番組を年に2回程度放送しており、警察のみならず消防・救助隊の活動・訓練風景も紹介している)。
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[編集] 番組内容
内容パターンとしては、東京・大阪といった大都市の繁華街や歓楽街の場合もあれば、または地方ののどかな交番・駐在所、また通信司令室の110番受付台に取材陣が詰めたり、自動車警ら隊・高速隊や機動捜査隊のパトカーに取材陣が同乗もしくは取材車で同行して、取材中に発生した事件や事故現場での警察官の活動を追ったものが多い。
主に取り上げる内容として
- スリ、痴漢など鉄道内で多発する犯罪
- 賭博などの摘発
- 覚せい剤など違法薬物の密売の摘発
- 飲酒運転などの交通違反の取り締まり
- 深夜の繁華街での暴力沙汰鎮圧
- 暴走族検挙活動
- 高速道路上での事故処理
- 轢き逃げ犯の捜索
- 不法残留者の摘発
ニュースで既に実名報道されているか、または一度顔が映された被疑者についてもモザイク処理され匿名とされることが多いが、刑事事件の報道としては大きな矛盾を抱えている感が否めない[1]。
ドラマなどと異なり、脚本家への原稿料や俳優など出演者への出演料(ギャラ)などがない(司会者・コメンテーターを出演させるとしても、数人の少人数で済み、出演料は抑制できる)ため、著作権などの各種権利処理が簡単であり、低予算番組の代表格である。
各キー局は春・秋の番組改編期に特別番組として警察24時を放送することが多く、記者クラブ制度と絡み、警察とキー局の癒着の象徴だという批判が多い(交通・刑事・外勤ばかりの取材収録で、警備・公安は全く取材されていない、あるいは取材に応じていないと思われる)。また、警察不祥事が起こると警察当局への批判をかわすためかやたらに番組の放送が増えるともいわれている。また、近年の公務員不祥事を考慮すれば、外形的に見ると一部はやらせの類である蓋然性もある。
これは上記にあるように、低予算で制作できることと、一般視聴者の興味が高いので高視聴率が期待できるというキー局側の利点と共に、(事実であるので批判には当たらないが)一般の警察官の努力によって市民生活の安全を確保しているという警察活動が『全国的に』放送されるため、警察側においても費用をかけず広報を行えるという相互の利益によるものである。
似たような内容では、いわゆる「万引きGメン」の活躍を追った番組もある。[2]
[編集] 各放送局の警察24時の番組
- 『実録!踊る大捜査線凶悪犯もビビる!!これが日本の名刑事だ』
- 『踊る大警察24時~汗と涙の新人刑事物語~』
- 『踊る!大警察24時~熱血刑事はつらいよ 逮捕の瞬間100連発~』
- 『踊る!大警察24時逮捕の瞬間100連発』
- 激撮!!警察密着24時(関西テレビ制作・フジテレビ系)
- 激録!交通警察24時(テレビ朝日系)
- 激録 警察密着24時!!(テレビ東京系)
- 暮らしの安全最前線~岩手県警・消防24時(IBC岩手放送)
- NHKでは警察24時の番組を制作・放送していない。
[編集] 脚注
- ^ ニュースでは成人の実名報道が禁止されていないにもかかわらず、警察24時のようなドキュメンタリーでは匿名にしている、など。これについてはやらせ行為も含まれているのではないかと言う声も少なくない。
- ^ 同様に、万引き犯の顔がモザイクなどで伏せられていることから、かねてから”万引き犯”や”店長”、さらには”駆けつけた警官”までヤラセなのではないかという疑いがある。
[編集] 関連項目
- 犯罪報道
- 刑事ドラマ
- ザ・警察官(コナミ)-警察24時をモチーフとしたアーケードのガンシューティングゲーム。
- パトマニアのビデオ-警察と協力せず、独自に取材したビデオ(DVD)。
- フジTV警察24時 -年2回放送されているめちゃ×2イケてるッ!の警察24時をモチーフにした企画。
- プロパガンダ
- 柳沢慎吾-彼のモノマネのレパートリーの一つ。