諜報局破壊班員
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『諜報局破壊班員』(ちょうほうきょくはかいはんいん)は日本の推理作家・冒険小説作家大藪春彦が著した長編アクション小説、伊達邦彦シリーズ第3弾。雑誌連載時の題名は「モナコ王国危機一発」。
目次 |
[編集] 出版履歴
- 1987年 徳間書店より『諜報局破壊班員 伊達邦彦地球を駆ける』刊行。
- 1987年 角川書店より『諜報局破壊班員 伊達邦彦地球を駆ける』刊行。
- 1989年 Tokuma novelsより『諜報局破壊班員 伊達邦彦地球を駆ける』刊行。
- 1997年 光文社文庫「伊達邦彦全集」より『伊達邦彦全集(3) 諜報局破壊班員』刊行。
[編集] あらすじ
電器会社乗っ取りに失敗し、日本を脱出した伊達邦彦は、イギリスの別荘でひっそりと生活していた。だが、日本での悪事を知った英国秘密諜報部(MI6)が接触。特殊訓練を受け、諜報局破壊班員「YZ-9」の分類番号を与えられた。
モナコで行われていたカー・レース大会で、突如出場車の一台が火を噴いた。そのままメイン・スタンドに転落、後続の車も巻き込まれる大事故となった。しかし、その騒ぎの途中で王国王子と王女が誘拐されてしまう。後日、5億フランを要求する手紙が舞い込む。誘拐犯が大富豪、アントン・アナシスであるとの確信を得た英国諜報部は「YZ-9」伊達邦彦をモナコへ派遣。邦彦を待ち受けるは敵との緊迫の駆け引きだった。
[編集] 登場人物
- 伊達邦彦
- 英国諜報部所属「YZ-9」の分類番号を与えられた破壊工作員。
- ピエール
- 宝石店「正直堂」店長を仮の姿とする伊達の協力者。
- アントン・アナシス
- 大富豪。船の売買によって成功する。王子と王女の誘拐の主犯と見られている。
[編集] その他
『血の来訪者 野獣死すべし第3部』より4年のブランクを経て執筆された。当時、イアン・フレミング原作、ショーン・コネリー主演で製作されていた映画『007』シリーズの影響を色濃く受けており、MI6を登場させるのもそれがあるからだろう。 本作の雑誌連載時の題名「モナコ王国危機一発」は映画『007』シリーズ第2作『ロシアより愛をこめて(From Russia With Love)』の映画邦題「007 危機一発」に由来している。伊達邦彦シリーズの1作『日銀ダイヤ作戦』は『サンダーボール作戦(Thunderball)』から、『マンハッタン核作戦』の雑誌連載時題名は『ハーレムより愛をこめて』だった。