言語獲得
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言語獲得(げんごかくとく)とは、人が生まれたときから始まる母語を運用する能力を獲得すること。両親の人種や民族に関係なく、その生育環境で使われる言語を獲得する。
例えばアメリカ人とロシア人の子供が日本で生まれ育った場合、家庭において日常使用されている言葉(どの言語であるかは家庭の環境によって異なる)を母語として習得する。その家庭で使われている言語と日本語の2つを獲得することになるが、主として家庭で使われる言語を母語、日本語を第二言語として習得する。方言についても同じような法則に則って習得される(方言が母語、共通語が第二言語)。すなわち文法規則の獲得も含めれば生まれる前から暮らす社会で使われている言語の影響を受けていると言える。
また言語獲得は人の一生の中で一番最初になされるもので、その他の例えば計算能力や運動能力に先立って獲得されるものである。このことから推測されるのは、人間にとって根幹的に必要とされる能力で社会への適応にもっとも不可欠なものであるということである。またこれら以外にも外国で生活すると自然とその国の言語が習得されるということからも、無意識のうちになされるものであるという解釈ができる。