複合サイクルエンジン
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複合サイクルエンジン(ふくごうサイクルエンジン)は、複数のエンジンの特性を兼ね備えた、統合的な航空・宇宙用エンジンである。
宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が構想・開発するスペースプレーンに、搭載するための研究が続けられている。
[編集] 原理と理論
ここではJAXAの構想するスペースプレーンを例に説明する。
スペースプレーンに搭載されるエンジンは、ロケットエンジンをベースとする4種(通常のジェットエンジン・ラムジェットエンジン・スクラムジェットエンジン・ロケットエンジン)の4モードで構成される。 具体的な運用例を示すと
- マッハ1までの巡航は、通常のジェットエンジンを使用する。
- マッハ1以降からは、ラムジェットエンジンでも十分な加速が得られるため、ラムジェットモードを使用する。
- さらにマッハ5以降からの極超音速域に到達すると、スクラムジェットモードになり、さらに強大な加速を得る。
- 大気圏を離脱すると、もちろんのこと酸素はなくなるため、完全なロケットモードに移行される。
このように、複数のエンジンを組み合わせられて作られたのが複合サイクルエンジンである。