藤里駒ヶ岳
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藤里駒ヶ岳 | |
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標高 | 1,157.9 m |
所在地 | 秋田県山本郡藤里町 |
山系 | 白神山地 |
種類 | 火山 |
藤里駒ヶ岳(ふじさとこまがたけ)とは、秋田県山本郡藤里町にある山である。この地区にあった太良鉱山から太良駒ヶ岳(だいらこまがたけ)と記される場合もある。秋田県北部に位置し青森県に近く、白神山地の南東部に位置している。世界遺産の範囲には入っていない。標高は1,157.9mである。山頂からは岩木山、白神岳などを望むことができる。大気の条件がかなり良ければ、さらに岩手山、鳥海山、男鹿半島、北海道なども見ることができる。
火山であり火山灰もふもとにつもっているが、歴史的な噴火等の記録は残っていない。
明治時代に最初にカメラをもってこの山を登ろうとした2人の若者が、遭難し行方不明になった事件があった。そのため、駒ヶ岳には姿を写そうとすると怒る神様がいるという伝説があった。現在では、何人もの登山者によってこの山は写真に残されている。
駒ヶ岳という名前の由来は、残雪時にこの山を見ると、雪が消え黒く見える部分が馬の形に見えるというものである。この馬の形が見える季節が、ちょうど田植えの季節と重なるため、農民は駒ヶ岳で田植えの季節を知ったという。
1970年代駒ヶ岳の周囲の森林は次第に伐採され、伐採された跡が目立つようになっていった。少年自然活動の一環として少年たちとこの山に登った写真店経営者の鎌田孝一は、少年の駒ヶ岳山頂から発した「自然って遠いんだな」という一言にショックを受け、自然保護を志すことになった。この活動は、自然破壊の象徴的存在だった青秋林道建設を途中で止めさせ、白神山地の世界遺産登録という結果に結びつくことになった。
現在、伐採された駒ヶ岳周辺の山々にも次第に樹木が伸びてきて、伐採跡も目立たなくなってきている。
駒ヶ岳周辺は昔から人間に利用されており、原生林とは言えない。また、世界遺産登録当時は周辺にかなりの伐採跡がのこっていた。したがって、世界遺産の範囲には入っていない。
[編集] アクセス
- 秋田自動車道二ツ井白神インターチェンジから車で約60分で黒石沢登山口に到着。徒歩110分程度で山頂。登山口にはトイレがある。
[編集] みどころ
- 田苗代湿原
黒石沢登山道の駐車場から15分程度にある高層湿原。春はブナの新緑と湿原に咲くミズバショウ、リュウキンカ、夏はニッコウキスゲ、キンコウカ、リュウキンカ、秋は紅葉が楽しめる。写真は紅葉時のもの。
- 太良峡谷(藤里峡)
大良鉱山跡から上流にある峡谷。道が整備されている。奇岩や巨石の間を流れる渓流や、大きな滝を見ることができる。
- 岳岱自然観察教育林
自然観察林として整備されているブナの巨木の林。ブナは通常数百年程度で寿命を迎え、それほど大きくならないが、樹齢400年を超えるブナの木がある。入り口にはトイレが整備されている。
- 猿ヶ瀬園地
素波里ダムのダム湖中央部にあり、県立公園として設定されている。キャンプ場や食堂・売店・遊具などがあり駒ヶ岳登山の拠点としても利用されている。