藤井宗茂
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藤井 宗茂（ふじい むねしげ、生年不詳 - 享保18年8月22日（1733年9月29日））は赤穂藩浅野家の家老。800石。通称は又左衛門、のちに左門。元禄赤穂事件のほか藤井直明の父親としても知られる。
赤穂藩内では大石内蔵助良雄(主席家老)に次ぐ上席家老であり、藩主が参勤交代で江戸へ出る際には、末席家老の大野九郎兵衛と交代でどちらかが御供して江戸へ向かい、どちらかが在藩していたという。
刃傷事件があった元禄15年(1701年)は、藤井が江戸にあり、大野が赤穂にあった。江戸家老安井彦右衛門とともに勅使饗応役の主君浅野長矩を補佐しなければならなかったが、補佐できず、3月14日の殿中刃傷後、浅野家は改易された。3月16日に鉄砲州上屋敷を立ち退いた後は、上屋敷近くの築地飯田町(現在の中央区築地7丁目東部あたり)に安井彦右衛門や用人石槽勘左衛門(150石役料20石)・藩大目付早川宗助(200石役料10石)らとかたまって暮らしていた。江戸急進派から義盟への加入を求められるも加わらず、赤穂藩にさえ立ち寄らなかった。
その後、知己であった越中国富山藩前田家(加賀国金沢藩前田家の分家・10万石を領する)の家臣金森八三衛門(山林見回り奉行)を頼り、越中国射水郡小杉村に身を寄せ、藤井左門と称した。大手崎村の豪農赤井屋九郎平の娘を妻に娶り、その間に二男一女をもうけた。この長男の津幡吉太郎が後に明和事件で処刑される尊王志士藤井右門直明である。直明の手記によると父宗茂は享保18年(1733年)8月22日、姫路城下の網干で死去したとされている。兵庫県明石市竜門寺に墓が残る。
