萌えスロ
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萌えスロ(もえすろ)とは、パチスロ機の中でも、特に液晶画面での演出において「萌え」に重点を置いた機種の俗称。パチスロ機の中でも5号機に多く見受けられる。
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[編集] 概要
萌えスロの原型は1999年ごろから存在した。『温泉天国』(テクノコーシン)や『マジカルポップス』(山佐)のように萌えキャラを用いたパチスロは存在したが、液晶画面もなく、せいぜいパネルに萌えキャラが描かれているくらいであり、販売台数も少なく、ホールの主流とはならなかった。
2000年代に入り、多くのパチスロ機において液晶画面が搭載されるようになったことから、パチスロのゲーム性の一つとして出玉性能やいわゆる「出目」、リール制御などの従来から存在する要素に加え、新たに液晶画面における演出が重要な役割を帯びるようになった。
しかし4号機の時代は、「萌え」は液晶画面に表示されるさまざまな演出の中の一要素に過ぎなかった。一部マニアの間では『スーパーブラックジャック』『リオデカーニバル』(いずれもネット)に登場するリオや、『吉宗』(大都技研)の姫、『押忍!番長』(大都技研)の操などに高い人気が集まるなどの現象も見られたものの、メーカー自身が「萌え」をメインに据えた機種を開発するケースはほとんど見られなかった。
ところが5号機の時代に入った2005年以降、出玉性能などの面で従来に比べ大きな制約が加わったことから、パチスロメーカーは新機種において液晶画面での演出により重きを置かざるを得なくなった。そのため5号機ではアニメや芸能人とのタイアップ機が数多く登場することになったが、その中でも「萌え」的要素が強い『サクラ大戦』(エレコ・アルゼ)、『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』(JPS)といった機種が比較的高い人気を集めたことから、2006年後半以降パチスロメーカーが「萌え」を演出のメインに据えた機種を数多く開発するようになった。
萌えスロについては、「『萌え』にあまり関心のないパチスロ愛好者にとっては、演出等が恥ずかしくて耐えられない」といった否定的な意見も少なくなく、必ずしも万人受けするものとはいえないが、一方で「従来パチスロをあまり打たなかったアニメファンなどがパチスロに興味を示すようになり、新たなパチスロファンの獲得につながっている」という評価もある。また、(一部のパチスロでも見られるが)メディア展開を行っている機種も存在するほか、キャラクターを主体とした二次創作もある。各メーカーの動向を見る限り、今後パチスロ機の中で一つのジャンルを形成していく可能性は高いものと見られている。