華麗なる一族
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[編集] 概要
万俵コンツェルン総帥にして阪神銀行頭取の万俵大介。名門の誉れ高い一族の長、優れたプレジデントとしての表の顔と、妻妾同居という膿んだ生活を営む裏の顔を持つ。目的の為に子息子女を持ち駒に政財界に人脈を張りめぐらせるが、ある時からどす黒い疑惑を胸にきざす。自らの飽くなき野望の為、また憎しみと復讐の為、大介は巧妙な陰謀をはりめぐらせる。目的を達成して待っていたものは・・・・。大介を軸に、彼に翻弄される一族の姿と金融業界の内幕について神戸を舞台に描き、話題となった。
[編集] モデルとなった組織・人物
1970年3月より1972年10月まで『週刊新潮』に連載された本小説は、山崎豊子の多くの作品と同様に、実在の事件および人物をモデルにしたものだと言われる。とりわけ、1965年の山陽特殊製鋼倒産事件は作品全体を通して反映されており、作中描かれる阪神特殊鋼は山陽特殊製鋼がモデルだとされる。このほか作品中に登場する団体等のモデルは以下のように推測される。
- 阪神銀行 - 神戸銀行(現:三井住友銀行)
- 実在の神戸銀行は、本作品の連載終了後の1973年に太陽銀行と合併し太陽神戸銀行となる。
- 万俵家 - 神戸の岡崎財閥
- ただし山崎豊子自身は岡崎財閥モデル説を否定している。
- 帝国製鉄 - 新日本製鐵(新日鉄)のうち八幡製鐵
- 新日鉄の合併・発足は1970年で、作品の舞台である1960年代にはまだ八幡製鉄・富士製鉄に分かれていたものの、山崎の別の著作には帝国製鉄の他に藤山製鉄(富士山≒富士)も登場しており、いわゆる状況証拠として考え得る。
- 大同銀行 - 協和銀行(現:りそな銀行)
- 大同銀行は作品中、“貯蓄銀行から都銀に転換し歴代頭取は日銀天下り”として描かれ、阪神銀行の合併相手となる。
ただし、阪神銀行のモデルとされる神戸銀行は、上記の通り協和銀行ではなく太陽銀行(小説中では“相互銀行より都銀に転換した太平銀行”として登場)と合併した。
なお、小説中の阪神銀行および阪神特殊鋼は、実際の阪神銀行(現:みなと銀行)、阪神特殊鋼と直接は関係がない。しかしながら、みなと銀行は前身の阪神銀行がさくら銀行の傘下であった流れで三井住友フィナンシャルグループであり、旧:さくら(太陽神戸三井)銀行より兵庫県内の20店舗を譲り受け、現在も三井住友銀行と同一行扱いとなっているため、作品中の阪神銀行と実際の阪神銀行においては無縁の関係ではない。
[編集] 映画
- 華麗なる一族 (映画)を参照
[編集] テレビドラマ
これまでに二度テレビドラマ化されている。
- 1974年の山村聰主演のテレビドラマについては、華麗なる一族 (テレビドラマ 1974年)を参照。
- 2007年の木村拓哉主演のテレビドラマについては、華麗なる一族 (テレビドラマ 2007年)を参照。