脇見恐怖症
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脇見恐怖症（わきみきょうふしょう）とは、視線恐怖症の一種とされる。医学的・世間的にほぼ認知されておらず、主にネット上の2ちゃんねるのメンタルヘルス板の脇見恐怖症スレッドや、これを扱う個人サイトやブログ,mixi上のサークルにて用いられている用語である。
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[編集] 概要
そもそも視線恐怖症は、神経症のなかでも対人恐怖とつながるものとされる。これは、自分/他人の視線に関して不安や緊張などの恐怖感を抱くのが特徴である。脇見恐怖症の定義については、先述の通り、医学的・世間的な認知があまりなく、また、ネット上でこれを扱うサイトにて、いろいろと暫定的な定義が書かれているのみである。それに従い、その要点を書くと「自分の意思に関わらず、さまざまな原因から周囲の人たちを過剰に意識してしまい、その結果“不快な視線”を“与えて”しまい、それに対する“不快感を表明するような反応”に対して、不安・緊張・罪悪感を持ってしまう症状」である。これだけでは、周囲の人に自分の視線が不快なものとして映っていないか不安になる自己視線恐怖症と大して変わりない。
しかし、脇見恐怖症を扱うサイトにて、「チラ見してる」「チラ見すんな」と陰口された、叫ばれた（もしくは露骨に数人から視線を感じるといわれた）、自分のロッカーに自分の目の拡大図を貼られた、周囲の不快のサインとして、咳払いや舌打ち、肘を立てて、視線をガードしているという違う人からの共通の書き込みなどが散見され、単に自分の内面の問題だけとは言い切れない事例を複数確認される点が、自己視線恐怖との分岐点だと思われる。つまり、自分の内面的な問題にとどまらず、周囲の他人に何らかの形で不快感を与えるような“視線”（これについての議論は後述）が存在するという、当事者やその周囲の人以外には妄想やオカルトではないかと思われるような前提が含意されている。
[編集] 脇見恐怖症における“視線”とは？
先述の通り、脇見恐怖症は医学的に認知されていない。従って、何をもって自分が脇見恐怖症を言えるのかはハッキリした基準はない。また、脇見恐怖症のサイトにおける書き込みでは“視線”に関する議論があり、共通見解が得られないまま平行線をたどるか、2ちゃんねるでは、しばしばその見解の違いから、罵倒中傷の応酬による潰し合いが見られる。各人の主観的な体験を下に、“視線”に関して、さまざまな解釈がサイトの掲示板を通じて書き込みされるが、共通しているのは、「自分の意思によらない“視線”が周囲の人を不快にする」という点である。その場合、“視線”とは文字通り、「目の向く方向」のみを指すのではなく、ここでは「脇見恐怖症において、人を不快にさせる根本的な原因」という意味で整理する。以下に、これを扱うさまざまなサイトの掲示板で見られた解釈をまとめる。
- “視線”とは、自信の無さから来る挙動不審な体（目）の仕草である。
- “視線”とは、自覚しない（周囲の人に向く）執拗な眼球の動きである。
- “視線”とは、ぼやっとした周辺視野に対象が映っている状態がつくる“何か”である
- “視線”とは、オーラのように直接その存在を確認できない“何か”である
- “視線”とは、脳の何らかの異常によって発せられる“何か(電磁波など)”である
大別すると、具体的なものと、確認しようの無い架空のものを想定する2つのタイプである。脇見恐怖症だと自認して書き込む人の多くは、2の定義に基づいている事が多いと思われる。そのため、2ちゃんねるの書き込みなどにて、「（眼球の動きを悟られぬように）縁の厚いサングラスや眼鏡をかければいい」「前髪を伸ばして、眼球の動きを隠せばいい（あるいは「隠してきた」）」とするもの、また、「自分の眼球が自動的に本当に動いているか、鏡やケータイのカメラ機能にて確認した」「見ても良いじゃないかと開き直る事にしている」という書き込みがしばしば確認される。また、4（や5）の定義を元に書き込む人は、2ちゃんねるの場合、その他の“現実的な”解釈をする人から、罵倒されることが多く、そこから誹謗合戦が始まるケースが少なくない。
[編集] 脇見恐怖症者による視線についての書き方
特に限定できないが、脇見恐怖を自認する人が掲示板でよく「視線を送ってしまう」「見てしまう」「見ちゃう」という言い回しがなされることがある。それに対して、周囲の人の視線が怖いので、強迫的に「見てしまう」行動なのか、見たいという衝動を抑え切れなくて「見てしまう」というのか、読み人には判然としない書き方であるという指摘が、下記のリンクにある「脇見恐怖症のサイト」の脇見恐怖症に関する考察というスレッドにて、存在する。しかし、実際にはそういうあいまいな言い方をする方が多い。
[編集] 対処法
脇見恐怖症を自認する人の書き込みの中に、そのような状態になってから、人間関係がめちゃくちゃになった、学校を中退した、職場を辞めた、辛くて自殺未遂を起こしたなどとする書き込みが主に2ちゃんねるのスレッドにてしばしば確認される。そのほか、先述した脇見恐怖症の原因に関する“考察”に加えて、脇見恐怖症という現実を受け入れて、どうするかという現実対処法に関する書き込みが時々ある。その場合、我慢する、もしくは、ネガティブな感情から抜け出し、“健常人”と同じように振舞うという二つの意見に集約できる。オフ会を開いて、交流をとることもある。その他、脇見恐怖症について、専門的な研究を行い、より根本的な治療を望む書き込みもまれに存在する。
[編集] “視線”の「議論」と「対処法」の関係
上で示唆したように、2ちゃんねる内での“視線”に関する議論には、自分の経験上においてよく「確認できるもの」に基づいて、仮説を提唱する書き込みと、今現在では「確認できない事」に基づき、仮説を主張するという形で、二項対立が起こっている。後者は「確認できない」ことに基づくので、視線の原因と関連しそうな科学的な言説をコピペして、その仮説を援用する場合もある。 この二つの主張における特徴の違いをかなりおおまかに分類すると、 前者は、「心の持ちよう」のレベルで議論しようとするのに対して、後者はあくまでも「脳機能の異常」といった生化学・物理学的な観点でのレベルで議論しようとするので、話が噛み合わず、妥協点を見出せないまま、延々と不毛な罵倒合戦をやることが多い。
脇見恐怖症を自認する人たちによる書き込みの中で、どう“健常人”と共生していくのかといった対処法に関する話は、少なくとも2ちゃんねるのスレ内では、あまり直接的に出てこない。しかしながら、すべての脇見恐怖症に関する議論のスタンスには、「どうまともに生活していくのか」という命題が含まれていると思われる。その場合、「心の持ちよう」のレベルで議論しようとする人は、脇見恐怖症を根治させるという命題はいったんカッコに入れてしまい、どちらかというと、どう良い人間関係をつくるか、どう人と関わっていくかといった暫定的に現状を改良していこうとする“実践性”を重視する立場に見える。一方、「脳機能の異常」レベルで議論しようとする人は、よい人間関係の構築を目指すといった発想は書き込みの前面に出てこず、脇見恐怖症を物理的な側面から分析して見せる事で、脇見恐怖症を“科学的に”“完璧”に根治する方法を間接的に示そうとする、いわば「根治志向」であるといえる。“視線”に関する「議論」と「対処法」は、根底において結びつきながら、「暫定改良」派か、「根治志向」派という形で、（不毛な）二項対立的な形で現れているように見える。
「暫定改良」派をさらに分けると、なるべくネットから離れて、仕事や人間関係といった現実と向き合おうという“積極的な”タイプと、ネット上にて「根治志向」派の主張の実証性のいい加減さを指摘（罵倒）することで、「根治志向」派の主張に取り込まれないようにしようとする“消極的な”タイプ（便宜上、「暫定改良」派に分類するが、書き込みの実証性のなさを指摘するだけでは、まるで現実を「暫定改良」している態度とは言えないため、不適切に見えるかもしれない。これは事態を図式化して、ある程度分かりやすくする為の配慮である）があるように見える。「根治志向」派は、「暫定改良」派の“消極的な”タイプによる罵倒に反応して、反論+罵倒をして、不毛な罵倒合戦になっていくのが、2ちゃんねるにおける脇見恐怖症スレッドの“視線”に関する議論の“おなじみの”パターンであったが、part24前後のスレからは、そのようなやりとりは、なくなってきている。
[編集] 参考・外部リンク
- 脇見恐怖症のサイト
- 視線恐怖症とは？
- 脇見恐怖克服まとめ
- 脇見恐怖症（MTカウンセリング適応症状）
- 脇見恐怖症で困ってる人救済サイト
- カウンセリングサービス・無料相談コーナーご相談事例集（バックナンバー)
