脂肪肝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
脂肪肝(しぼうかん、fatty liverまたはsteatosis hepatis)とは、肝臓に脂肪が蓄積した状態を指す。原因としては、過栄養性の脂肪肝が最多であり、その他アルコール、薬剤、妊娠などがあげられる。
ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。 |
目次 |
[編集] 分類
大きくアルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝 (NAFLD) にわけられる。この2者は肝生検像が異なる。
ガチョウや鴨の肝臓を強制肥育によって肥大化させた高級食材「フォアグラ」や、稀にニワトリの雌鶏に見られる「白肝」も実は脂肪肝である。
[編集] 症状
無症状のことが多い。
[編集] 検査
- 血液検査
- 腹部超音波検査
- CT
- 形態から肝障害・脂肪変性の評価を行う。脂肪変性に伴い脈管と実質の信号強度が正常肝と逆転することもある。(肝実質がむしろ低信号となる)
- 肝生検
- 非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH, non-alcoholic steatohepatitis) については確定診断にかかせない。
[編集] 治療
- 原因があれば(肥満・糖尿病などがあれば)、その除去・治療
- もしも誘因がなければ、インスリン抵抗性阻害剤=PPAR-γ阻害剤やウルソデオキシコール酸=UDCAなどが用いられているが、そのエビデンスや薬理活性はまだ判然とはしていない。
[編集] 予後
原因不明の肝硬変の多くはみつからなかったNAFLD (non-alcoholic fatty liver disease) ではないかと考えられている。また、非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH, non-alcoholic steatohepatitis) になってしまうとそれだけで予後は悪い。以前考えられていたように予後良好な疾患というわけではない。 一部は肝硬変・肝癌へ移行すると考えられている。