石牟礼道子
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石牟礼 道子(いしむれ みちこ、1927年(昭和2年)3月11日 - )は熊本県天草郡河浦町(現・天草市)生まれの作家である。
水俣実務学校卒業後、代用教員、主婦を経て1958年谷川雁の「サークル村」に参加、詩歌を中心に文学活動を開始。1956年短歌研究五十首詠(後の短歌研究新人賞)に入選。
代表作『苦海浄土 わが水俣病』は、文明の病としての水俣病を鎮魂の文学として描き出した作品として絶賛された。同作で第1回大宅壮一ノンフィクション賞を与えられたが、受賞を辞退。
週刊金曜日の創刊に参画。編集委員を務めたが「手伝いをしただけ」である事を理由にわずか2年で辞任している。
2002年7月、新作能「不知火」を発表。同年の東京上演、2003年の熊本上演、2004年8月の水俣上演は大きな話題を呼んだ。
目次 |
[編集] 著書
- 苦海浄土 わが水俣病(講談社文庫)
- 天の魚 続・苦海浄土(同上)
- 海と空のあいだに - 石牟礼道子歌集 -(葦書房、1989年)
- 形見の声 - 母層としての風土(筑摩書房、1996年)
- 十六夜橋(筑摩書房、1999年、径書房、1992年)
- 潮の呼ぶ声(毎日新聞社、2000年)
- はにかみの国 - 石牟礼道子全詩集(石風社、2002年)
- 石牟礼道子全集 不知火(全12巻、藤原書店、2004年 - 2005年)
[編集] 受賞歴
[編集] 備考
- 武田鉄矢は『苦海浄土』の一部を抜粋して、海援隊のライヴやアルバムのレパートリーに取り上げている。
- 合唱曲の作曲家として知られる荻久保和明は、水俣病の恐ろしさを表現した絵本「みなまた 海のこえ」(石牟礼道子・丸木 俊・丸木位里、小峰書店刊、1982年)を題材にした合唱組曲「しゅうりりえんえん - みなまた海のこえ -」を制作した。
- 『天湖』は順天堂大学の順天堂大学医学部准教授ブルース・E・アレン氏により英訳、出版された。
[編集] 関連文献
- 河野信子・田部光子編『夢劫の人 石牟礼道子の世界』、藤原書店、1992年
- 石牟礼道子ほか『不知火 - 石牟礼道子のコスモロジー』、藤原書店、2004年