矢野徹
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矢野 徹(やの てつ、1923年10月5日 - 2004年10月13日)は、日本の作家、SF作家。翻訳家。愛媛県松山市生まれ。兵庫県立第三神戸中学校を経て、中央大学法学部卒。
日本に本格的なSF出版が芽生える前の、海外SFのファン一号といわれ、SFに興味があった晩年の江戸川乱歩に面識を得る。そのまま、SF翻訳家、SF作家となり、幅広く活躍した。
冒険小説『カムイの剣』は角川書店によりアニメ映画化された。また、代表作『折紙宇宙船の伝説』は海外でも出版され、高い評価を受けた。翻訳家としては、R.A.ハインラインの諸作をはじめ、多数の海外SFを翻訳し、日本に紹介。これらの作品はSFのみならず、日本の文学界全体に大きな影響を与えた。
パソコンゲーム黎明期には『ウィザードリィ日記』を上梓し、RPGの普及に貢献するなどその業績は多岐にわたる。
アマチュアのSFファン活動を大事にする人物としても有名で、年一回開かれる日本SF大会やその他各地で開催された地方コンではほぼ毎回『狂乱酒場』を主催し、ファンと親しく語り合う姿が見られた。
目次 |
[編集] 略歴
- 1953年:アッカーマンの働きかけで、第11回ワールドコンのゲストオブオナーに。そのままアッカーマンのお世話になって滞在。
- 1954年:日本初のSF商業誌『星雲』を創刊。1号のみで廃刊になる。
- 1957年:日本最初のSF同人誌『宇宙塵』に筆頭同人として設立当初より参加。また、渡辺啓助、今日泊亜蘭らとSF同人「おめがクラブ」を設立。同人誌『科学小説』を発行。
- 1958年:『甘美な謎』を発表。
- 1963年:日本SF作家クラブの設立に参加。
- 1978年:日本SF作家クラブ2代目会長就任(~1979年)
- 1985年:翻訳者としての功績が評価され、WSFよりチャペック賞(カレル賞)を受賞。
- 1988年:星雲賞受賞(『ウィザードリィ日記』)
- 2004年:大腸がんのため死去。(享年81)同年、生前の功績を称え、第25回日本SF大賞特別賞に選ばれる。
[編集] 著作
- カムイの剣
- 地球0年
- 折紙宇宙船の伝説
- 442連隊戦闘団
- 連邦宇宙軍シリーズ(第1作『ネットワーク・ソルジャー』から第3作『マーズ・ドラゴン』までは髙橋敏也と共著)
[編集] 翻訳
- 宇宙の戦士
- 月は無慈悲な夜の女王(以上、ロバート・A・ハインライン著)
- 人間以上(シオドア・スタージョン著)
- 砂の惑星(フランク・ハーバート著)
- ターザンシリーズ(エドガー・ライス・バロウズ著)