真賀田四季
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真賀田 四季(まがた しき)は森博嗣著の推理小説に登場する架空の人物。この項目では便宜上、彼女を主役とした小説のシリーズ『四季』についても記述する。
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[編集] 人物
「人類のうちで最も神に近い」と言われる天才。情報工学、特に仮想現実、人工知能の領域で研究実績がある他、多様な分野の話題について有益な意見を出せる知能を持つ。
自身の体験をまったく劣化させずに記憶に留めて置く事ができる。またその驚異的な頭脳を用いて複数の人格を有する多重人格者でもある。
5歳のときに自身の特異性を認識して以来、数多くの偉業を達成する。MITのPh.D.を修了して、既に有名になって久しい14歳の時に両親を殺害したという容疑で裁判にかけられるも、心神喪失状態と判断され、無罪となる。この事件以後、15年間研究所のある妃真加島に閉じこもって表に姿を現さなかった。
能力故に政府や巨大企業レベルの組織からの強力なバックアップがあると言われており、彼女の身辺を探ることは危険であるとされるほど謎の多い人物とされる。
『S&Mシリーズ』の第1作『すべてがFになる The Perfect Insider』に登場以後、『有限と微小のパン The Perfect Outsider』(『S&Mシリーズ』の第10作目)、『赤緑黒白 Red Green Black and White』(『Vシリーズ』の第10作目)、『Gシリーズ』など犯罪の向こうに見え隠れする人物。また、第3のシリーズとなる『四季』シリーズの主人公でもある。
[編集] 『四季』シリーズ
[編集] 概要
『四季』シリーズは、刊行順において第3のシリーズとなる。
シリーズ名は、最初のシリーズである『S&Mシリーズ』に登場する真賀田四季の名前からとられた。英題は『The Four Seasons』であり以下の4章から成る。
- 『四季 春 The Four Seasons Green Spring』
- 『四季 夏 The Four Seasons Red Summer』
- 『四季 秋 The Four Seasons White Autumn』
- 『四季 冬 The Four Seasons Black Winter』
4作を一冊にまとめた『四季 The Four Seasons』も刊行されている。4作の英題は、それぞれ「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」を意味している(「玄冬」の「玄」は黒を意味する。四神である、青龍 (四神)、朱雀、白虎、玄武と同様、五行説からきている)。
『四季』シリーズには、2つの意義があるとされる。
一つは、『S&Mシリーズ』(全10冊)と『Vシリーズ』(全10冊)のつながりが明かされることである。つまり、両シリーズの登場人物の人間関係が明らかにされる。
もう一つは、『S&Mシリーズ』の第1作目『すべてがFになる The Perfect Insider』及び第10作目(最終作)『有限と微小のパン The Perfect Outsider』に登場する真賀田四季の物語である。例えば『四季 春』には、真賀田四季の子供時代が描かれている。
また、真賀田四季は、『Vシリーズ』第10作目(最終作)『赤緑黒白 Red Green Black and White』の最後にも登場し、『四季』シリーズへのつながりを暗示している。そもそも『Vシリーズ』最終作のタイトルである『赤緑黒白 Red Green Black and White』自体が、夏春冬秋(赤緑黒白)と順番は違うとはいえ、「四季(の色)」を示している。
なお、著者自身に依ればシリーズと銘打たれてはいるが、4章立てだった作品をたまたま分冊して発行しただけで厳密にはシリーズではない。
[編集] 登場人物
- 其志雄(きしお)
- 生まれたときから病院で暮らしている。趣味は絵を描くことだがいつも完成を放棄している。四季と普通に会話できる数少ない人物。四季に出会って以来、彼女に全てを捧げようとする。
- 新藤清二(しんどう せいじ)
- 真賀田左千朗の弟。名前から分かるように新藤家の養子となり病院を継いでいる。アウトドア派。
- 新藤裕見子(しんどう ゆみこ)
- 新藤清二の妻であり病院の婦長でもある。父親は病院の初代の院長。
- 真賀田左千朗(まがた さちろう)
- 四季の父親。四季の才能に気づき自分の書斎を彼女に貸し与える。工学博士。
- 真賀田美千代(まがた みちよ)
- 四季の母親で左千朗の妻。四季の身の回りのアシスタントをする森川のことを次第に疎ましく思うようになる。言語学の教授。
- 森川須磨(もりかわ すま)
- もともとは大学院の工学部修了生だったが、まだ小さい四季の身体的補助のために抜擢される。今では四季のマネージャだと周囲には認知されている。野心家で計算高い。
- 佐織宗尊(さおり むねたか)
- 日本メタナチュラル協会「Meta-Natural Institute」の会長。左千朗の先輩で少々奇人だが頭は切れる。四季のことを崇拝している。
- 各務亜樹良(かがみ あきら)
- 四季の才能に投資するある組織のコンサルタントをしている。資金提供をする組織の力を背景にして四季に近づく。
その他、S&Mシリーズ、Vシリーズの人物が多数登場する。
[編集] 他シリーズとの時間関係
森博嗣の4つあるシリーズ『S&M』『V』『四季』『G』では、『V』『S&M』『G』の順に直線的にシリーズ内の時間が流れているのに対して、『四季』シリーズは、真賀田四季を中心にした(真賀田四季の主観及び彼女をめぐって行動する『S&M』『V』の登場人物たち)ストーリー展開となっている。つまり、『四季』シリーズは、『V』『S&M』『G』といったストーリーの本流に対して、サイド・ストーリーの位置づけとなる。
[編集] その他
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S&Mシリーズ | すべてがFになる - 冷たい密室と博士たち - 笑わない数学者 - 詩的私的ジャック - 封印再度 - 幻惑の死と使途 - 夏のレプリカ - 今はもうない - 数奇にして模型 - 有限と微小のパン |
Vシリーズ | 黒猫の三角 - 人形式モナリザ - 月は幽咽のデバイス - 夢・出逢い・魔性 - 魔剣天翔 - 恋恋蓮歩の演習 - 六人の超音波科学者 - 捩れ屋敷の利鈍 - 朽ちる散る落ちる - 赤緑黒白 |
四季シリーズ | 春 - 夏 - 秋 - 冬 |
Gシリーズ | φは壊れたね - θは遊んでくれたよ - τになるまで待って - εに誓って - λに歯がない - ηなのに夢のよう |
Xシリーズ | イナイ×イナイ - キラレ×キラレ - タカイ×タカイ |
短編小説集 | まどろみ消去 - 地球儀のスライス - 今夜はパラシュート博物館へ - 虚空の逆マトリクス - レタス・フライ |
登場人物 | 犀川創平 - 西之園萌絵 - 瀬在丸紅子 - 真賀田四季 |
スカイ・クロラシリーズ | スカイ・クロラ - ナ・バ・テア - ダウン・ツ・ヘヴン - フラッタ・リンツ・ライフ - クレィドゥ・ザ・スカイ |
シリーズ外作品 | カクレカラクリ - どきどきフェノメノン |