真実
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真実(しんじつ)
真実(しんじつ)とは、本当のこと。偽りでないこと。歪曲や隠蔽や錯誤をすべて排したときに明らかにされる事をいう。
「真実は複数あるが、事実は1つしかない」のように良く言われる。多くの場合、真実は事実に対する人の評価(真偽)を伴う。そのためしばしば、「信念」や「信義」と連関する事がある。その意味で、真実はカントの言う権利問題である。真実および事実は認定が必要である。裁判所における「事実認定」には、カントの言う事実問題における認識のほか、同じく権利問題における認定を伴う。
権利問題のクラスにおいては、真実は人によって認識(認定)が異なるとするのが通常である。しかし、事実問題のクラスにおいて見ると、1つであると通常は考えられている事実も、一義的なものではないとされる。
一般的な意味においては、認識の主体と客体について考えてみると、「現実」は主体から見た客体に対する視点の問題であり、「実在」は主体から分離された客体としての「存在」であり、「現象」は主体が認識した客体であり、また「存在」は「現象」により構成される。
そのため、「主体」は「現象」により構成されないものを「存在」として認識する事ができない。そう言ったものをカントは「物自体」として仮定した。
哲学や思想での意味は真理を参照のこと。