目玉おやじ
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目玉親父(めだまおやじ)は水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』(旧題:『墓場の鬼太郎』)の主人公・鬼太郎の父親。
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[編集] キャスト
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第1作目より現在放映中の第5作までの全シリーズで田の中勇が担当。その他実写版も同様。
2003年発売のゲームソフト『ゲゲゲの鬼太郎 異聞妖怪奇譚』のみ熊倉一雄が担当。また、アニメ第2作の第4話『雨ふり天狗』では、大竹宏が代役した(クレジットはされていない)。
[編集] 概要
鬼太郎の父親。目玉に体の付いたユーモラスな外見。非常に博学で知識面で鬼太郎たちをサポートする。身長9.9cm、体重33.25g。
かつて地上を支配していた種族である幽霊族の生き残り。鬼太郎誕生以前は、不治の病を患いミイラ男のような風貌をしていた(これが病気のためか、元々ミイラ男のような妖怪だったのかについては不明)。
身籠った妻とひっそり暮らしていたが、生活の手段として売った血液が、輸血した患者を幽霊化する混乱の元となってしまう。調査に訪れた血液銀行の銀行員・水木に、身の上を打ち明け調査の引き伸ばしを願い出たが、妻ともども病没。鬼太郎を案じて、自らの遺体の眼球に魂を宿らせて生き返り、現在の姿となった。
原作では普段は鬼太郎の左目の空洞に入っている。アニメ版では髪の毛に潜り込んでいるよう変更された。原作『妖怪獣』で右目を潰された鬼太郎の左目に入り、目の代わりを務めたり、原作『雨ふり天狗』でも指鉄砲で失明した雨ふり天狗の右目に移植されるなど、眼球としての機能もそのまま残している(彼の四肢胴体は、もともと視神経である)。
鬼太郎誕生まで世界中を放浪していたため、世界中の妖怪について博学。ほぼ全ての妖怪の種類、性格を知っている。生死関係からか閻魔大王とも旧知の仲であり、他にインカの旧文明人や、悪魔などにも知り合いがいる。
鬼太郎同様に生命力が高く、踏み潰されて紙のように薄くなっても、目玉部分を潰されても、天ぷらにされて大やけどをしても、しばらくすると元通りになる。原作『鬼太郎国盗り物語』では鬼太郎共々、飲まず食わずで十年間もの間活動できることが明らかになっている[1]。
趣味は茶碗風呂。アニメ第3~5作では風呂のバリエーションが増え、ワンカップ風呂、湯飲み風呂、紅茶風呂、コーヒー風呂、砂風呂、酒風呂、茶碗ではなくイチゴパックを使った炭酸水プールなどと多彩。
まぶた(「黒目部を覆う蓋」のようなもの)がある。原作者水木しげるは「泣いたり寝たりするのだからまぶたがあって当然」とし、原作でも眠る際はまぶたを閉じている。
口の位置は原作でもアニメでも曖昧(『目目連』の原作およびアニメ第2、3作では、黒目の中央から息を吹きかけるシーンがある)。そのせいかアニメ第4作までは食事シーンが滅多にない(担当声優の田の中は食べたところを見たことがない、一度たくさん食べてるところを見たいと語っている)。好物はサクランボ、梅。朝食には朝露を飲む[2]。アニメ5作では「魚の目玉のスープ」が好きで、飲むシーンも描かれた(黒眼の下あたりが口のような描写。その後も口を開けた構図は見られないものの、食事シーンは頻繁に見られ、頬=黒目の両斜め下や腹を膨らます演出がなされる)。また同5作目ではくしゃみをして鼻水(または痰)を噴き出すシーンもあるので気管支も持っているようだ。歯は無い。
- 鬼太郎茶屋にあるキャラクター紹介パネル、小学館の『鬼太郎大百科』によると唇を突き出したような形の口が目玉の下部にあり、出したり引っ込めたりできるとある。
基本的に裸だが、浴衣や白衣などを着ることもある。後述のご当地商品では新選組やメイド服など数多くの着衣姿が見られ、坂本龍馬などに扮した着毛姿や鉢巻着用姿などもある。イギリスの小鬼から貰ったシルクハットや、サンタクロースから貰ったという、この世にただ一つしかないといわれる靴も持っている[3]。
アニメ版は作品によって声優が変更されているが、目玉おやじだけは全作品田の中勇が担当している(GBAゲーム・危機一発! 妖怪列島、PSゲーム・逆襲! 妖魔大血戦、PS2ゲーム・ゲゲゲの鬼太郎 異聞妖怪奇譚を除く。また、アニメ第2作4話『雨ふり天狗』では大竹宏が代役を務めている)。彼の甲高い声は印象的で、物真似のレパートリーとしてもよく用いられる(例:「オイ 鬼太郎!」)。なお、2007年の映画化およびアニメ放送に伴うプロモーションでは、田の中のプライベートを織り交ぜたオリジナルの設定追加が見られる。
実写映画版はウエンツ瑛士と田中麗奈の出演を考慮し、目玉おやじとなった時期が江戸時代とされた。
コンタクトレンズのイメージキャラクターに起用されたことがある。また、ゲートから「目玉おやじPCカメラ」が発売されている。
日本各地のご当地商品として、数多くの目玉おやじのキーホルダーやストラップが発売されている。前述の新選組などの他、クリオネなどにもなる姿は、ご当地商品界においてはキティちゃんに次ぐ存在とも言える。
目玉(眼球)という実在のものがモチーフのためか、『新ニッポン探索隊』の教授(声:高田べん)や『マリオシリーズ』のアイクンなど、目玉おやじに類似したキャラクターがいくつか存在している。
アニメ版のエンドロールにおいては、第1作、第2作では「父親」、第3作では「目玉」、第4作以降は「目玉おやじ」と表記されている。(第4作劇場版『妖怪特急! まぼろしの汽車』では「目玉のおやじ」と表記)
[編集] 妖術・技
[編集] 体内戦術
その体の小ささを活用し、敵に呑み込まれたり自ら体内に侵入したりして内部から攻撃する。
- 脳操縦
- 敵の脳に侵入して操る。貸本『顔の中の敵』でねずみ男に初使用。『地上絵の秘密』では大悪魔ルキフェルをもこれで手玉に取った。
- 貸本時代は侵入された者の頭部に瘤やおできの様な物が現れているが、雑誌連載開始以降はなくなった。
- 息子である鬼太郎も『妖怪獣』の大なまずなど、巨大な敵に対して同様の技を使うことがある。
他にも、
- 顔のあらゆる穴から顔を出して撹乱させる
- 胃や心臓などに穴を開ける
- 喉を塞いで窒息させる
などのバリエーションがある。
[編集] 肉体変形技
- 逆モチ殺し
- 『逆モチ殺し』にて、火車に「モチ殺し」で餅につき込まれた際に使った反撃技。餅を尾を引いて飛ぶ多数の目玉に変化させ、敵を追いかけ包み込む。アニメ第2作によると1度使う毎に命が5年縮むと言う。
- フロシキ目玉
- 『死神』にて、死神に宇宙旅行と称して大砲で打ち上げられた際に変化。普通の生物なら粉砕される所だが、目玉親父はフロシキ状に膨張、鬼太郎の魂を奪った死神を包み捕らえた。
- 『妖怪千物語』第27話では自分の意志でフロシキ化。この形態は3分しか持たない。
[編集] まぼろしの汽車
『まぼろしの汽車』にて使用。時を遡る汽車を召喚し、乗っている者の状態を過去に戻す。吸血鬼ピーに吸血鬼にされた鬼太郎や村人達をこれで元に戻した。この術は親が子を思う強い心があってこそ可能。「逆モチ殺し」よりさらに消耗が激しく、1ヶ月は起き上がれないほどのダメージを受ける上に[4]、寿命が10年縮む[5]。使用後に目玉は倒れ、次回まで入院する破目になった。アニメ第3・4作ではこの汽車は閻魔大王が管理している設定になっている。
[編集] その他の術・武器
- 霊素
- 『目目連』にて、目目連の幽素で石化した鬼太郎に必死で吹き付けた。どのようなものか、詳しい説明はない。ここでは幽素と霊素が混じったため(アニメ第3作版では十分な量の霊素を送れなかったため)、鬼太郎は幽霊になり、目目連を倒した後で別の処置を施し元に戻った。
- 針
- 縫い針のような針や釘で敵の急所などを突く(針を持ち歩いたりしているような描写は特に無い)。『妖怪大戦争』では敵の大将バックベアードをこの技で倒している。また、『奪衣婆』では又五郎鬼から借りた「金剛針」で奪衣婆の術具「万有自在玉」を破壊、無力化した。
- 魂の離脱
- 精神を集中する事で魂を肉体から分離して行動する。『獏』にて獏に吸われた鬼太郎の魂を奪い返す為に使った。
- 耳電話
- 耳の中にあり、遠く離れた仲間とも会話できる[6]。
[編集] アニメにおける変遷
[編集] 第1作・第2作
初期は現在の音声よりも甲高い印象がある。1期では現代っ子の気質を見せる鬼太郎を嘆いたり、2期では強力な妖怪を相手にすると知って「行くな」と言ったり、かまぼこになった鬼太郎のために借金までするなど、様々な面における親心が強い。幽霊族の生き残りということで、鬼太郎のことを「妖怪の中でも名門の生まれ」と鼻高々に語ることも。
[編集] 第3作
黒目の中に幻(天童ユメコの祖母の代から現代までの歴史)を見せる(『鏡じじい』)、黒目から光線を出し、削り取られた名前を再現して見せる(『おばけナイター』)など、アニメオリジナルの技をたびたび披露した。
鬼太郎とユメコの交際を応援する傾向にあり、41話でデートの準備をしている所をからかったり、46話で邪魔なねずみ男を食べ物で釣って二人きりにしたりしている(原作や実写版では、人間の女の子との恋愛は反対する傾向にある)。
[編集] 第4作
この時期から以前より過保護な面が見受けられるようになった。鬼太郎が食べられたりしてしまうと、愕然として涙を流すというパターンがよく見られる。一刻道の言霊で変えられた姿はキーホルダーだった。
[編集] 第5作
この期においてはマスコット的な役割を前面に出されている。そのことから、非常に俗っぽく「親父」らしい面が多く見られるようになった。
第4作以降の少々過保護な言動に加えて、肥満を気にして様々なトレーニングを試す(蓄音機をルームランナーとして使用するなど)、花火の爆音で気絶、お笑い番組をちょっとズレたセンスで楽しむなどである。流行にわりと敏感で、ミーハーなところも時折見せる。
[編集] 墓場
ミイラ男(声: 郷里大輔)の状態から登場。目玉になってからも、原作における、いわゆる年齢を高さを感じる言葉遣いが少ない。よって、演じている田の中も苦労したとインタビューにおいて語っている。目玉が血走ったり、鬼太郎に物凄い剣幕で怒ったり、幽霊族としての自覚がない鬼太郎の不甲斐性を嘆いて自殺未遂を起こしたこともある。