百度
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百度(ひゃくど、バイドゥ、Bǎidù、NASDAQ: BIDU)は中国の百度公司が運営する検索エンジンである。創業は2000年1月。本社は北京にある。
全世界の検索エンジン市場において、百度はGoogle、Yahoo!に続き第3位のシェアを誇る(米comScore社、2007年10月調べ)。中国国内では、Google(谷歌)、Yahoo!(雅虎中国)を押さえて最大のシェアを誇る。
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[編集] 企業背景
創業者のロビン・リー(李彦宏)は、北京大学を卒業後にニューヨーク州立大学へ留学。Dow Jones&Company,Inc.やInfoseekなどを経て、中国帰国後の2000年1月に百度公司を創業している。その後急成長を遂げ、2005年5月NASDAQに上場した。
公開初日、公募価格の27ドルから122.54ドルまで急騰。当日の上げ幅は354%までのぼり、アメリカの証券市場、IPO初日に最多利益を上げた株式のひとつに数えられている。なお、2007年10月には時価総額が118億ドルに上っている。
2006年12月に日本法人である百度株式会社を設立し、2007年3月には日本語版サイト「Baidu.jp」のベータ版サービスを開始している。2007年6月には百度公司の社外取締役としてソニー前会長の出井伸之が就任。
2008年1月23日に「Baidu.jp」の本格サービス開始。一般の新聞やテレビのニュースでも取り上げられている。
[編集] 提供サービス
中国国内で提供されているサービスは現在までに35に上る[1]。中国語検索の強みに加え、若者に人気のあるコミュニティやマルチメディアサービスを拡充したことが、中国ユーザーを引き付けている。
[編集] 歴史
- 2000年1月- 北京大学の学友であった、ロビン・リーと徐勇が北京中関村で百度公司を創立。
- 2001年8月 - サーチエンジンのベータ版である、Baiduを発表。
- 2001年10月22日- Baidu(Baidu.com)を正式発表。
- 2002年11月 - MP3ファイル検索を新設。
- 2003年7月 - 画像とニュース検索を新設。
- 2003年11月 - 百度掲示板を新設。
- 2005年5月 - 電話番号、映画、テレビの検索サービスを新設。
- 2005年6月 - 百度知道(知識サイト)を新設。
- 2005年8月5日 - NASDAQに上場。
- 2005年9月22日 - 百度地図検索のベータ版を開設。
- 2006年1月12日 - 百度国学を発表。
- 2006年4月20日 - 百度百科を新設。
- 2006年7月13日 - 百度空間のベータ版を開設。
- 2006年12月 - 日本法人である百度株式会社を設立。
- 2007年6月 - ソニー前会長の出井伸之が百度社外取締役に就任。
- 2007年3月 - 日本語版検索サービス「Baidu.jp」のベータ版の提供開始。
- 2008年1月23日 - Baidu.jpの本格サービス開始。
[編集] 検索機能
[編集] 検索システム
2006年下期頃から、百度のクローラ「Baiduspider」による日本のサイトへの過度なクローリング行為が目立つようになり、大手電子掲示板を始めとしたサイトで利用者がアクセス困難になる事態が発生し、百度のクローラからのアクセスをブロックする動きがみられるようになった。
これについて、百度は2007年3月、日本法人のウェブサイトにおいてBaiduspiderが過剰な負荷をかけたことを謝罪するとともに、クローリングの頻度管理を統一するなどの対処策を発表した[2]。また同年5月には負荷の少ない新型クローラである「BaiduChecker」を導入し、ウェブサイトに与える負荷を平均数百バイト程度に抑えられるようになったと表明している[3]。
百度公司では中国ユーザーのニーズを反映し、検索順位の決定にオークション的な手法を用いている。しかし、この検索順位のモデルについて、日本には投入しないことを、日本法人の担当者がセミナーなどで明言している。
Baidu.jpの画像検索機能における有害コンテンツの取り扱いに関し、日中両国内で話題となった[4]。現在、Baidu.jpではアダルトコンテンツフィルタが導入されている。ただし、このフィルタ機能は初期設定では無効になっている。
[編集] MP3検索
百度のユーザーにとって人気のある機能はMP3検索である。これはMP3、WMA、rmファイルなどの音声・動画ファイルを検索できるサービスである。MP3検索は主に中国の音楽の検索に使用される。
2005年3月30日に中国のレコード会社の上海歩昇音楽文化伝播有限公司が著作権を侵害されたとして百度を提訴している。その他にも、ユニバーサル・ミュージックをはじめとする大手レコード会社からおこされた同様の訴えについては、2006年11月百度側の勝訴となった。
著作権の問題に対し、百度は2007年からEMIなど音楽業界との提携を進めており、新しいビジネスモデルのプラットフォーム作りに着手していると伝えられている。
[編集] 脚注
- ^ 百度公司のプロダクト
- ^ Baidu.jp、Baidu Spiderに関する御詫びと対処法について(プレスセンター)
- ^ Baidu.jp、負荷の少ない新型Spiderを投入 (プレスセンター)
- ^ 中国当局、「百度日本」への中国からのアクセスを遮断か インプレス