無調のバガテル
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無調のバガテル(フランス語:Bagatelle sans tonalité)サール番号 S.216はフランツ・リストが作曲したピアノ曲である。1885年に作曲された。
「調のないバガテル」と呼ばれることもある。ただし「調性のないバガテル」というのは誤訳であるため不適当であるとされる。
[編集] 概要
この曲はリストの最晩年、1885年に作曲された曲で、音楽史至上もっとも古い無調の音楽である。ただしシェーンベルクが編み出した12音音楽とは異なり、独自の旋法(後に『移調の限られた旋法』第2番と一致することが分かった)を基本に作られた曲である。
もともとこの曲のタイトルは「メフィスト・ワルツ第4番」であったが、後にこのタイトルは削除され、しっかりと「無調」と記されたタイトルになった。作曲上の経緯から、「メフィスト・ワルツ集」と称するCDにはこの曲が必ず収録される。
なお「メフィスト・ワルツ第4番」は別の曲として後に彼の手によって作曲されたが、構想上未完となった。一応曲は終止線のところまで書かれており、曲としては完成している(その後、何者かの手により補筆された)。
「無調のバガテル」は遺作であり、リストの死後72年もたって1958年に発見された。同時期に「メフィスト・ワルツ第4番」も見つかった。
速度指定はAllegretto messo、4分の3拍子。曲の雰囲気は非常に独特の空気が漂う。最後に曲が円満完結されないような和音で終わっているのもこの曲の大きな特徴である。
技術的には右手のパッセージが弾きにくく、難易度が割合低い曲が多い晩年の作品の中では難しい部類である。また24の調性のどれにも当てはまらないため、暗譜が難しい。