ノート:無調のバガテル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
[編集] 誤訳?
正しい訳名は『無調のバガテル』/『調のないバガテル』であって、『調性のないバガテル』というのは誤りだという前置きが、どういう根拠によるのか、いまいち明確ではないのではありませんか。「無調=調のないこと」であって、「無調=調性のないこと」ではない、ということでしょうか。だとすれば、どういう理由からなのでしょうか。いずれにしても、詳しい説明が欲しいものです。--間久部緑郎 2006年11月18日 (土) 13:10 (UTC)
1.発端
ことのはじまりは、執筆者ヨクトさんが2006-07-31T01:29:04に追加された「調のないバガテルと呼ばれることもある。ただし調性のないバガテルというのは誤りである。」という文言です。これはおそらく、明示されてはいませんが、次のような意味で書かれたものでしょう――「調のないバガテル」と呼称されてはいるが、音楽学の領域で現在言われているところの「調性」がないわけではない。なぜなら、この曲はある旋法にもとづいてて書かれており、本文中にもあるように、それはメシアンによる移調の限られた旋法第二番とも一致するとも言われているから。
2.問題発生
ヨクトさんによって付加されたこの文言は数人の執筆者から何度かマイナーな修正を施されてきました。しかし最大の方向転換は、 219.4.101.95さんによる2006-12-11T22:57:10 の次のような修正でした。 「調のないバガテル」と呼ばれることもある。ただし「調性のないバガテル」というのは誤訳であるため不適当であるとされる。「誤り」という語はここで初めて「誤訳」という表現に変わります。これが現在の版にまで受け継がれています。この「誤訳」という表現におそらく問題があります。間久部緑郎さんの疑問が出てくるのは、現在の文言では、これを「誤訳」と呼ぶ基準がはっきり示されていないからです。
3.解決策
問題を整理し、確認します。
・音楽学でいうところの「調性」概念はもともと定義上の曖昧さを含むうえに、歴史的に見ても揺れ動いている。
・リストないし発見者によって命名された段階では『無調のバガテル Bagatelle sans tonalité』という名前がぴったりしていたとしても、その後「調性」概念のゆらぎのせいで、今ではこの曲の名称にある「無調」ということばが、必ずしもしっくりこなくなってきている。
・しかし、曲の名称としてはすでに『無調のバガテル Bagatelle sans tonalité』で通っており、それを変更することはもはやわれわれにはできない。
したがって、解決策として、「誤訳」という表現を削除し、
タイトルには無調とあるものの、現在の音楽学の考え方では「この曲には調性がない」とは必ずしも言えない。 という一文を付け加えることを提案します。--S.H 2008年2月18日 (月) 01:32 (UTC)