海上の盟
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海上の盟（かいじょうのめい）とは、1120年北宋と金の間で遼（契丹）を挟撃するために締結された軍事同盟。
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[編集] 背景
北宋は建国当初より太祖趙匡胤の方針により、文治主義が国是であり軍隊は弱体であった。このため常に西夏など周辺諸国の軍事的脅威に晒され、中でも北方の遼は最大の脅威であった。このため北宋は真宗期以降、対外的に「澶淵の盟」等に代表される条約を締結、「歳幣」と称する金品を支払うことで名目上の友好関係を成立させてきた。
[編集] 成立
徽宗期の1115年、金の太祖完顔阿骨打は遼の討伐軍を撃破し、国家としての基礎を固めた。この国際情勢を観察していた北宋は童貫、趙良嗣らが勃興著しい金と結んで遼を挟撃することを進言し、馬政を派遣し金との交渉を行った。
この時、陸路では遼の領土を通過しなければならないため馬政は海路、金の領土である遼東に赴いた。
交渉の結果同盟が成立し、海路で相互に往来したことから、この条約は「海上の盟」と称されることになった。
[編集] 破綻
成立した同盟ではあったが、遼に対して挟撃作戦を開始しようとした矢先、北宋で方臘の乱が発生したためその鎮圧に手間取り、北宋は作戦に出遅れてしまった。
方臘の乱鎮圧後、ようやく童貫を指揮官に北宋軍は出征したが遼の抵抗は予想以上に激しく、首都である燕京攻略に手こずるばかりか逆襲を受け壊滅の恐れすらある有様であった。敗戦による責任追及を恐れた童貫は金に燕京攻略を依頼、金軍の攻撃により燕京は陥落した。このとき金の諸将は完顔阿骨打に北宋が燕京攻略の役に立たなかった事実により、燕京の譲渡を拒否してはどうかと進言したが、完顔阿骨打は海上の盟を理由にその進言を退け、住民、財産の略奪を行った後、事実上の空城を譲渡し、更に北宋に必要経費に数倍する戦費（銅銭百万緡、兵糧二十万石）を請求するという実利重視の方針を取った。
この後、北宋は金と同盟継続中であったにもかかわらず、金の反乱者の受け入れ、遼と同盟し金を敵とした密約を結ぶ等、外交方針は無軌道を極めたため、怒った金は遂に黄河を越え開封攻撃を敢行、北宋は滅亡へと向かうこととなる。
