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流れ - Wikipedia

流れ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

流れ(ながれ)とは:

  1. 液体気体といった形状が一定でない物体流体)の動きのこと。接頭辞をつけて「~流れ」あるいは単に「~流」と呼ばれる。本記事で説明する
    1. 日本流体力学会の機関誌は「ながれ」(外部リンク:[1]
  2. 1.から転じて、物体以外のもの(勢いや状況など)が時間によって変化するさま。
  3. 物語作品(小説など)についての会話で「話の流れ」という場合には、「ストーリー」と同義である。⇒ストーリーを参照。

非常に多くの粒子がランダムに運動しているを考えるとき、個々の粒子すべてについて運動を記述しようとしたのでは独立変数の数が多すぎて容易に扱うことができない。そこで巨視的な視点に立って、系全体での粒子の挙動に見られる傾向として運動を捉えたものが「流れ」である。これは流動現象のほかに、拡散などを含めることもある。 「流れ」として扱う対象は、物質電気などの他に、構成粒子を人間とした場合の人間集団なども挙げられる。

流れの原因には、たいてい原動力となるものが存在する。流動現象の場合には流体に加えられる外力(気圧、重力など)、物質の拡散の場合には濃度差、熱拡散の場合は温度差、電流の場合は電圧(電位差)、人の流れの場合は何らかの魅力(地域ごとの経済格差など)がそれである。

目次

[編集] さまざまな流れ

  • 速さによる分類: 亜音速・遷音速・超音速・極超音速
  • 粘性の有無による分類: 非粘性(微小粘性)・粘性
  • 渦度の有無による分類: 渦なし流れ・渦あり流れ
  • 混相流
  • 超流動

[編集] 速さによる分類

流れを、音速に対する速さの比によって分類することがある。「流れの速さ=音速」の時がマッハ 1.0である。

亜音速 
流れが音速よりも遅い状態。~マッハ0.8程度を指すことも多い。
遷音速 
流れが音速付近の状態。マッハ0.8~1.2程度を指すことが多い。
超音速・極超音速 
流れが音速よりも速い状態。マッハ1.2~を指すことも多い。

[編集] 粘性の有無による分類

流れは粘性の有無によっても分類されることがある。

[編集] レイノルズ数の影響

粘性流れはさらに……

[編集] 混相流

[編集] 人間の流れ

上記のような物質的な流れに人間の行動を見立てて、人間社会における動きを流れと表現することもある。例えば流行がそれである。その他にも「政治の流れ」・「歴史の流れ」・「時代の流れ」など多く使われる。

この場合、人間一人ひとりの行動は実際に確定することが出来るが、流れそのものを確定することは出来ない。その流れの中にいる人間、あるいは後世の人間が「そういう流れがあった」と感じたというところに留まる。

また勝負事では流れという言葉を使って、勝ち負けを決定する何かを表すことがある。例えば勝ちが続けば「流れが良い」、負けが続けば「流れが悪い」と表現する。特にで決定されるギャンブルではこの言葉を使うことが多い。例えばルーレットで赤が続いたら「赤の流れになっている」と考えて赤に賭けるという考え方をする人も多い。

こちらの「流れ」は人間の流れよりもさらに確定不能であり、存在しないと主張する人も多い。

例えば、バスケットボールにおいては、一度シュートを決めた選手は他の選手に比べてその後もシュートを決めやすくなるという「ホットハンド」という流れのような存在が一般的に信じられている。 だが、アメリカ心理学者トーマス・ギロビッチが、実際にNBAフィラデルフィア・セブンティシクサーズの1980-1981年シーズンのフィールド・ゴール、およびボストン・セルティックスの1980-1981年、1981-1982年シーズンのフリースローを統計分析したところ、シュートが連続して決まる確率に偶然の域を出るものは無く、シュートは完全なる独立試行であることが明らかとなった。このように本当は何ら意味の無い情報の中から何らかのパターンを見出してしまう現象のことをクラスター錯覚(en:clustering illusion)と呼ぶ。クラスター錯覚は認知バイアスの一種であり、統計データから誤った解釈を導き出す原因となる。また、クラスター錯覚のような「まやかしの有意性」から理屈を組み立ててしまうことを「テキサスの射撃手の誤謬」(en:Texas sharpshooter fallacy)と呼ぶ。

[編集] 流れの可視化


[編集] 関連書籍

  • 日本流体力学会編 『流れの可視化』 朝倉書店 ISBN 4-254-13654-4
  • ホットハンド関連
    • T. Gilovich, R. Vallone, and A. Tversky, "The hot hand in basketball: On the misperception of random sequences," Cognitive Psychology, 17, 295-314.
    • T. Gilovich, How We Know What Isn't' So: The Fallibility of Human Reason in Everyday Life, New York: The Free Press, 1993, ISBN 0029117062.
他の言語


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