沼島
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淡路島南方5km、紀伊水道北西部に浮かぶ。面積2.5km²、最高地点は117.2m。瀬戸内海国立公園の一部。人口631人(2006年9月末現在)。
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[編集] 概要
『古事記』では淡道之穂之狭別島(あわじのほのさわけのしま)と書かれ、『日本書紀』では、淡路洲と書かれ、伊弉諾尊(いざなきのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)の産んだものとされる淡路島の南端の沖合いに浮かぶ小さな島。土生港(南あわじ市灘土生)から一日10便の汽船が出ている漁業中心の島。
「古事記」や「日本書紀」によると、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冊尊(いざなみのみこと)の二神が天上の「天の浮橋」に立って、「天の沼矛(ぬぼこ)」をもって青海原をかきまわし、その矛を引き上げたところ、矛の先から滴り落ちる潮が凝り固まって一つの島となった。これが「おのころ島」で、二神はその島に降りて、夫婦の契りを結んで国生みを行った。初めに造られたのが淡路島で、その後次々に島を生み、日本国を造られたとある。この「おのころ島」の所在地については諸説紛々ながら、南あわじ市には古くからおのころ島の地名があり、二神を祭る「おのころ島神社」が存在する。そのおのころ島は、北端の絵島、あるいは淡路島全体であるという説もあるが、この沼島ではないかという説もある。
[編集] 地理
中央構造線の南側に位置し、全島が結晶片岩によって構成される。南岸の海食崖には緑・白・黒など様々な縞模様が現れている。また近海は磯釣りの名所でもある。近年は人口流出が著しい。
[編集] 観光
- 上立神岩
沼島の南側の海岸線は太平洋の黒潮をまともに受ける場所である。怒涛は居並ぶ奇岩、岩礁を形作り、なかでも、目立つのが誇らしげにそびえたつ高さ約30メートルの上立神岩であり、竜宮の表門とも呼ばれる神秘な岩でもある。古来、こうした屹立する巨岩は男根にたとえられ子孫繁栄、男性の性のエナジーを感じさせるものとして、巨根信仰の対象となりあがめられてきたものだが、この岩もその形状からして当然こうした意味合いを持たせるに打ってつけだったのであろう。小高い山の上、まるで天に届くかのようなまっすぐな階段を上ると、おのころ神社に到着する。この山全体が「おのころさん」と呼ばれる神体山である。天地創造の神であるイザナギ、イザナミの二神を祀っている。
[編集] 施設
- 南あわじ市立沼島中学校
- 南あわじ市立沼島小学校
- 沼島郵便局(2007年3月に無集配化)
[編集] 交通
土生港(南あわじ市灘土生)または洲本港(洲本市)から渡船(沼島汽船)。灘土生発着は日10往復。洲本発着は週3往復(火・木・土)のみ。
和歌山下津港や徳島小松島港など本土への便はなく、沼島-本土間の行き来は必ず淡路島経由となる。
以下に、灘土生渡船場までの交通を記す。