死がふたりを分かつまで
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『死がふたりを分かつまで』(しがふたりをわかつまで)は、ヤングガンガンで2005年12号から連載されている原作:たかしげ宙、作画:DOUBLE-Sの漫画。現在7巻まで刊行。
目次 |
[編集] あらすじ
全ての物質を切ることができる刀を持つ盲目の剣士、土方護は街中でひとりの少女に助けを求められる。その少女、遠山遥は的中率90パーセントを超える予知能力をもっており、その力のせいで巨大企業に狙われていたのだ。彼女から護へ依頼された契約期間は、「死がふたりを分かつまで」。しかし、企業の他にも暗殺者、テログループ等さまざまな敵が彼ら二人に襲い来る…
[編集] 登場人物
[編集] エレメンツ・ネットワーク
[編集] チーム「ブレード」
- 土方 護(ひじかた まもる)
- 本作の主人公。全盲にして、剣の達人。多くの実践剣術を習得しており、パートナーの井川が製作した網膜へ直接映像を送る特殊サングラスを掛け、映し出されるわずかな形(ワイヤーフレームのような映像)を頼りに戦う。
- 彼の掛けるサングラスは、コウモリと同様に発信した超音波の反響を拾い、解析した映像を受信して網膜へ投影する機能を持っている。それ単体でも見えなくは無いのだが、高度な解析が必要な場合はある程度の距離にバックアップを置く必要がある。また、建物の中等どうしても距離が離れてしまう場合は、ナイフ型の中継器を使用して補っている。(ちなみに井川の言葉によると、武器としても使える物らしい。)見る機能以外にも、弾道予測プログラムや集音機能、形状識別による物体の判別など、様々な機能が備わっている。当初のモデルはイヤホンが付いていたが、後に骨伝導スピーカーを内蔵した物へと変更された。また、これの補助装備として、『発声器(ラウドヘイラー)』と呼ばれる道具も所持している。これは、空気と反応して消失しながらサーチ超音波を発生する化学物質で、反響音波を増やすことにより映像の精度を上げたり、死角になっている物まで見ることが出来るようになる。
- 主な武器は杖の中にある仕込み刀。協力者である刀鍛冶の打ったそれ用の日本刀に、単分子結合技術を使った単分子層の形成及び低摩擦コーティング技術による刀身側面の大幅な摩擦係数の減少が施された物であり、理論上どんな物でも切断可能。刀鍛冶の趣味により、断罪と銘が打ってある。無論この様な完全に実用を前提とした刀を公に出来る訳もなく、登録は勿論行っていない。杖の先にはサングラスと同様の超音波を発生させる装置が組み込まれており、また鞘にあたる部分は折り畳めるようになっている。基本的には刀と体術を駆使して戦うスタイルをとるが、遠距離の敵に対してはスローイングナイフを用いる場合もある
- 孤高にして大胆不敵。しかし他人には無愛想で井川曰く相当なへそ曲がり。悪人に対してはどこまでも非情で一切の容赦をせず、そのため激情に駆られて組織でのご法度である殺人まで犯そうとした事もあるが、無論情が無い訳ではない。過去に人を殺した事があるというが現時点で詳細は不明。
- 遠山 遥(とおやま はるか)
- 本作のヒロイン。的中率90%以上の予知能力を持つ少女。故にあらゆる組織から狙われる運命となり、自分を助けてくれる人を予知した結果、護に辿り着いた。予知能力は正確には予測能力に近いらしく自分、もしくは自分に関わる人の未来しか予知(予測)出来ない。またその予知はたとえ最善の選択をしたとしても最良の結果を得られるわけではない。普段は大人しく礼儀正しいが本来は年相応のおてんばな性格。護に絶対的な信頼を寄せているのは彼と自分の将来に関係あるようだ。変装用及び連絡手段として、土方と同じく骨伝導スピーカーを内蔵した眼鏡を所持している。土方に身を寄せてしばらくの間は彼らと行動を共にしていたが、後に井川らの計らいで再び学校へ通うようになる。公での名前は橘 春名(たちばな はるな)。
- 井川(いがわ)
- 護のパートナー。ドレッドヘアーにピアス等その見かけからは想像もつかないが中身は常識人でかなりの頭脳派。性格は真面目だが、軽薄さを見せる場面も結構ある。あらゆる電子機器や最新技術を駆使して護を全面的にバックアップする。パートナーとしての期間はかなり短いが、それなりに相性は良い。過去に犯罪で妹を亡くしている。少しの時間で相手の電子妨害に対応したプログラムを組むなど、技術者として非常に高い技能を持っている。この仕事を引き受ける前は引きこもっていたらしいが詳細は不明。
[編集] チーム「THE WALL」
- アルファ(ALFA)
- チーム「THE WALL」のリーダー。作戦の最前線に立ちながら陣頭指揮、状況把握、各個指示を同時にこなすという卓越した指揮能力を持つ。土方とはチームの性格上別行動を取る事が多いが、互いに実力を高く評価し、信頼している。本名ジャック・ガービー。元グリーンベレーで3年前までCIFAで活躍していた過去がある。
- ブラボー(BRAVO)
- カルボアの船内での作戦で登場。チャーリー隊の背後を守った。
- チャーリー(CHARLIE)
- カルボアの船内での作戦で登場。分隊でブレードを援護した。
- デルタ(DELTA)
- カルボアの船内での作戦で登場。遥達のいる車の援護に回った。
- エコー(ECHO)
- カルボアの船内での作戦で登場。
- フォックストロット(FOXTROT)
- 通称「フォックス」。警察犬並と形容される程の嗅覚をもつ。
- ゴルフ(GOLF)
- カルボアの船内での作戦で登場。
- インディア(INDIA)
- フォックスと共にトゥルスらを尾行中に負傷。警察病院にて源田に尋問される。そのため護による新宿公園での合同作戦には参加していない。
- ジュリエット(JULIETT)
- ファングとの戦闘で負傷したシエラの代替要員として遥の元へ派遣される。変装、潜入を専門とする。
- キロ(KILO)
- ナイフ使い。隠密行動のエキスパート。シエラの元亭主でもある。
- マイク(MIKE)
- カルボアの船内での作戦で登場。オスカーと共に管理室を鎮圧した。
- ノベンバー(NOVEMBER)
- カルボア国籍の船内での作戦で登場。敵に紛れ込み奇襲をかけた。
- オスカー(OSCAR)
- カルボアの船内での作戦で登場。マイクと共に管理室を鎮圧した。
- パパ(PAPA)
- 170kgの握力を持つ白人の大男。
- ケベック(QUEBEC)
- カルボアの船内での作戦で登場。ズールと共に登場。
- シエラ(SIERRA)
- 白人の女性。土方の元へ身を寄せた遥の身の回りの世話をするために対ガルボアの作戦中から土方らと行動を共にし、作戦終了後は正式に『ブレード』チームのサポートとして活動する。ファングとの戦闘時に重傷を負い、入院する形でチームから離れる。メインウエポンとしてFN P90、サイドアームとしてグロック18を使用する。テロリストに娘を殺された過去を持つため遥の事は我が娘の様に思っている。本名はセリーナ。
- ヤンキー(YANKEE)
- ズールと共に、トゥルスの妨害電波によって交信の途絶えたブレード達の行き先の手がかりを見つけた。紳士風な白人の男性。三巻P88
- ズール(ZULU)
- ヤンキーと共に、トゥルスの妨害電波によって交信の途絶えたブレード達の行き先の手がかりを見つけた。体格の良い黒人の男性。三巻P88
[編集] 警察関係者
- 源田鉄平(げんだ てっぺい)
- 捜査一課の刑事。直情系でかなりの切れ者。腕っ節も相当に強い。遠山遥絡みの事件から護の行方を執拗に追っている。本庁・所轄関係なく情報交換を行ったり、被害者を惨殺した犯人に怒りを顕にするなど、刑事としての正義感は強い。護の過去を知っているらしく、彼を「人殺し」と言っている。
- 升田(ますだ)
- 源田の部下の若手刑事。ハイテク犯罪対策総合センターに同期がおり、源田にエレメンツ・ネットワークの存在を教えた。
- 堀川(ほりかわ)
- 若手刑事。少々浮ついた性格で仕事中に合コンの電話を受けるなど軽薄な発言・行動が目立つが、遥の祖母、遠山みのりが牙の襲撃を受けた際は逃げずに踏み止まり、警察官らしさも見せた。
[編集] ガルボア共和国関係者
- エジー・トゥルス
- ガルボアの外交官。その実は強引な手段で諸国企業のハイテク技術を盗むテロ集団「強奪者」のメンバー。遠山遥に興味を示し彼女をガルボアへ更迭しようと目論んだが組織を護と「THE WALL」によって壊滅させられる。自らも護に手足を切り落とされて不随となってしまい、国に見捨てられたばかりか口封じの為に命を狙われる羽目となった。それらの経緯から護に対する恨みは相当に根深く、その後も護へ復讐する為に様々な場面で暗躍する。
- 古村(こむら)
- 護によって半壊滅させられた暴力団である角鳳会の若頭。護に敗れたエジー・トゥルスを救出。護への復讐と自分が闇社会でのし上がるための手段として彼へ取り入るようになる。トゥルスとの取引で組織の軍事訓練を受けており、トゥルスの事は教官と呼んでいる。
- 牙(ファング)
- 国際的なプロの殺し屋。トゥルスの異母兄弟であり、彼から譲り受けた対人殺傷無人機(ドローン)を操って標的を攻撃する。、「牙」(ファング)の通り名は無人機による被害者の惨たらしい死に方から付けられた。遥の祖母を餌にして護を誘き出し命を狙うが返り討ちに遭い、重傷を負って運ばれた病院で自分を他の殺し屋に狙撃させ自決した。
- トーマス・ジェファーソン
- 元大学教授で犯罪研究家という表の顔を持つ犯罪計画者。「ワイズマン」の通り名で知られる老人で、トゥルスに犯罪学を叩き込んだ人物。ガルボアの刺客としてではなく、トゥルスの要請で日本へやって来ている。
[編集] 組織紹介
- エレメンツ・ネットワーク
- 犯罪被害者・遺族達がネットを通した情報交換、及び実動員の事件への直接介入による「犯罪者狩り」を行う一種の自警団。基本的に、情報交換、実動員の監視・評価など、組織の活動は全てネットを介した匿名で行われる(ただし、実動員同士は実際に協力することもある)。犯罪を未然に防ぐことを目的としているため、いかなる犯罪者であれ殺害は禁止。今のところ世間での知名度は、ネットの一部でちょっとした話題になっている程度。犯罪者狩りの為に犯罪者をメンバーとして雇う計画があった模様。
- ブレード
- 護と井川のチームで、都市型重大犯罪を専門とするチーム。ただし、メンバーが二人のみの上に戦うのは護だけのため、「ブレード」はチーム名というよりも護のコードネームに近い。
- THE WALL(ザ・ウォール)
- アルファをリーダとする、主に国際的な犯罪専門のチーム。メンバーを表音コード(フォネティックコード)で呼んでいる。東洋人以外のメンバーも多数おり、ブレードに比べると大規模な部隊と思われる。国際犯罪を専門とするため、特殊部隊並の装備を有する(ただし緊急時以外は非殺生弾丸を使用する)。
- 強奪者(プランダー)
- アフリカの新興国「ガルボア共和国」が飼うテログループで、様々な企業に技術の受け渡しを要求し、従わなければテロを行う。犯行声明がなく証言も少ないうえに、犯人を確保しようとすると歯に仕込んだ爆弾で自らの顔を消すため、情報は少ない。「強奪者」はインターポールがつけた仮称。