横須賀消磁所
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横須賀消磁所(よこすかしょうじしょ)とは、神奈川県横須賀市泊町、横須賀造修補給所内に存在する艦船の消磁所である。日本では唯一の施設であり、海上自衛隊とアメリカ海軍が共同使用している。
[編集] 概要
消磁所(英語:Deperming Station)とは、艦体に帯びた磁力を打ち消すための施設である。海面に突き出た多数の構造物により艦体の磁力を測定し、艦船に積まれた消磁装置で逆向きの磁気を当てて打ち消す。
ほとんどの艦船は磁性体である鋼製であり、長時間使用すると地磁気の影響や接触による静電気により強い磁性を帯びる。定期的に消磁作業を行わないと敵国などが敷設した磁気感応式機雷に反応するリスクが高まるほか、最悪の場合、積載する弾薬類が強力な磁気に感応し誘爆する恐れがある。
横須賀消磁所は横須賀海軍施設の入口に位置しており、戦前から大日本帝国海軍工廠として使用されていた。1966年(昭和41年)2月より、海上自衛隊と極東に駐留するアメリカ海軍が共同使用している。
なお日本における消磁関連施設としては、他に掃海隊群のための磁気測定施設として仮屋磁気測定所と佐世保磁気測定所が存在する。