東宮御所
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東宮御所(とうぐうごしょ)とは、皇太子の居所を指す。単に東宮とも。
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[編集] 東宮御所の概要
東宮御所であるが、古くは内裏内の昭陽舎を宛てていたが、鎌倉時代以後は小御所で儀式を行うのが慣例であった。
東京都港区元赤坂二丁目に所在する皇室専用の敷地一帯を赤坂御用地と称している。ここは江戸時代、紀州徳川家の上屋敷(紀州藩赤坂藩邸)が在った所で、明治維新後、紀州徳川家から帝室(現在の皇室)に献上されたものである。1873年に失火により皇居が焼失した際は、明治天皇がこの地に移り、1888年に新皇居(明治宮殿)が落慶するまでの間、ここを皇居としていた。
[編集] 赤坂御用地について
赤坂御用地内には現在、東宮御所の他、秋篠宮文仁親王邸、三笠宮崇仁親王邸、三笠宮寬仁親王邸、高円宮邸、並びに赤坂東邸(旧東宮仮御所)といった各宮家の邸宅や皇室の施設が点在する。また、赤坂御用地の北東に隣接して迎賓館(旧赤坂離宮)があり、訪日した外国賓客の接遇に用いられる。
赤坂御用地の中央には、池を中心とした回遊式庭園がある。そこは赤坂御苑と呼ばれ、1963年(昭和38年)以来、天皇主催の園遊会会場として用いられることから、テレビ・新聞などに登場する機会が多い。
赤坂御用地の正門は北側の安鎮坂に面している。前庭や裏庭には、皇后美智子のお印である、シラカバが植えられている。ほかに各宮邸への出入り等に用いられる門が御用地の南側と東側にいくつか設けられている。
赤坂御用地は国有地であるが、当然のことながら一般市民は原則として立ち入り禁止となっている。
[編集] 現在の施設について
現在の東宮御所は、今上天皇の皇太子時代の住居として、貞明皇后の大宮御所の跡地に建設され、1960年4月に竣工した。
谷口吉郎の設計による鉄筋コンクリート地上2階、地下1階建てで、御座所棟と事務棟に分かれる。御座所は更に表公室と奥私室に分かれる。
1989年1月7日、昭和天皇が崩御(死去)し、今上天皇が践祚した後、皇居内の吹上御苑内に新築された御所に天皇・皇后と紀宮清子内親王殿下が移るまでの間は、赤坂御所と呼称された。
[編集] 施設の建替
現在の東宮御所は1960年竣工より50年近く経過しており、建物の老朽化が著しくなっている。
この為、2008年度より2年間、総工費30億円を掛けて建替工事が行われる予定である。
尚、この建替工事期間中、皇太子徳仁親王家は赤坂御用地内に在る別の施設にて仮住まいをする運びとなっている。
[編集] 備考
- 2006年7月2日、神宮球場で行われていた日本テレビ「全国高等学校クイズ選手権」の関東予選において、オリエンタルラジオの中田敦彦とインストラクターがパラシュートで神宮球場へ着陸するつもりが強風にあおられ、赤坂御用地に不時着してしまうという不測の事態が起こった。日本テレビは、このハプニング映像を収録していたが、「全国高等学校クイズ選手権」の本放送に際しては封印し、映像を放映していない。