本塁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
本塁(ほんるい)とは、野球場の構成物の一つであり、野球において走者が正規にこれに触れることにより、所属チームに 1 点が入る塁のことである。ホームベース (home base) ともいう。なお、現在アメリカでは "home plate" と呼ぶのが一般的である。
[編集] 概要
野球場を作るには、まず本塁の位置を決める必要があり、これを基準にして他の塁やマウンドなどの位置が決められる。公認野球規則では、本塁を次のように定義している。
- 公認野球規則1・05 本塁は五角形の白色のゴム板で表示する。この五角形をつくるには、まず一辺が 17 インチ(43.2 センチメートル)の正方形を描き、17 インチの一辺を決めてこれに隣り合った両側の辺を 8.5 インチ(21.6 センチメートル)とする。それぞれの点から各 12 インチ(30.5 センチメートル)の二辺を作る。12 インチの二辺が交わった個所を本塁一塁線、本塁三塁線の交点に置き、17 インチの辺が投手板に面し、2 つの 12 インチの辺が一塁線及び三塁線に一致し、その表面が地面と水平になるように固定する。
一塁、二塁、三塁の順に触れた走者が正規に本塁に触れるとチームに 1 点が与えられる。他の塁はキャンバス(帆布)のバッグでできており厚みがあるのに対し、本塁はゴム板であり厚みがないことも手伝って、生還しようとする走者と、させまいとする捕手がぶつかり合うなど他の塁に比べて激しいプレイが起こりやすい。また、本塁はストライクゾーンの幅を定める基準ともなっており、他の塁に比べて極めて重要な役割を担っている。プレイが起こるたびに周囲の土に埋もれてしまうこともしばしばであり、球審がブラシで本塁上の土を払う光景がよく見られる。
プロ野球やメジャーリーグでは、ストライクの判定に不服を持った選手が抗議の意思を示すために、土を蹴り上げて本塁の幅を狭くしようとしたり、つばを吐いたりする行為があるが、極めてスポーツマンシップに反する行為であり、ほとんどの場合、その選手は非紳士的行為の廉で退場処分となる。