ストライクゾーン
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ストライクゾーンとは、野球において打者が投手の投球を自然体でバットに当てることのできる範囲を示す。この空間を通過した投球(一部分がかすめればよい)を打者が打たなかった場合、ストライクが宣告(コール)される。通過していないと判定された場合は「ボール」が宣告される。
[編集] 概略
公認野球規則ではストライクゾーンを「打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間」と定めている。しかし実際の試合においては、現実にストライクゾーンの枠や線が設けられているわけではなく、投球を判定する球審の裁量で決定される。当然、公認野球規則に示されている基準と球審の判断との間の誤差や、球審を担当する者の間に個人差が生じることもありうる。
アメリカメジャーリーグでは日本プロ野球より、打者から遠い方(投手から見て、右打者の場合左方向、左打者の場合右方向)にストライクゾーンが広いと言われる。日本プロ野球においても、それまではベルト付近が上限だったストライクゾーンを2002年に公認野球規則の通りに改めたが、2003年シーズンでは元に戻った。しかし、パ・リーグでは2007年度から外角にボール1個半広がった新しいストライクゾーンを採用した。交流戦によって違うリーグの審判の判定を受けるケースが多くなり、選手からセントラル・リーグと比べてストライクゾーンが狭いという意見が出たためである。また五輪などの国際試合に対応するためとも思われる。
なお、アマチュア野球ではアマチュア野球特別規則により、低めに関してはボール全てがストライクゾーンを通過しないとストライクにはならない(要するに低めはボール1個分ストライクゾーンが高い)と決められている。
ストライクゾーンの上部、および、ストライクゾーンより上方を「高め」と呼び、ストライクゾーンの下部、および、ストライクゾーンより下方を「低め」と呼ぶ。また、ストライクゾーンの打者に近い部分(投手から見て、右打者の場合右側、左打者の場合左側)、および、ストライクゾーンより打者に近い方を「内角(インコース)」と呼び、ストライクゾーンの打者から遠い部分(投手から見て、右打者の場合左側、左打者の場合右側)、および、ストライクゾーンより打者から遠い方を「外角(アウトコース)」と呼ぶ。打者が投球を打つ時、高めへの投球はフライになりやすく、低めへの投球はゴロになりやすい。また、内角への投球の方が外角への投球より安打にしやすいことが多い。
[編集] その他
以上の意味より転じて、異性や趣味などの好みの範囲を指す場合にも使われる[1]。
[編集] 脚注
- ^ 出典:米川明彦編『日本俗語大辞典(第3版)』東京堂出版 2006年 312頁