星座早見盤
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星座早見盤(せいざはやみばん)とは、特定の日時と時間での星空を調べるための特殊な星図である。取り扱いのしやすさから大抵は円盤型をしている。
渡辺教具製作所などの教具メーカーが一般向けに販売しており、簡単に購入することができる。
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[編集] 概要
星座早見盤は主に星図部分とマスク部分(部分的に星図を隠す)との二つの部分よりなる。星図部分は観測緯度から見える天球を方位図法によって作られた円盤状の星図になる。見える星の赤緯の下限が緯度によって違い、それによって余分なところを落とすため星図部分が削られてしてしまうので緯度によって別々の物を用意する必要がある。(中には、マスクを複数用意して複数の緯度からの観測を可能にしているものもある。後述。)星図の中心には必ず北極星が来る。マスク部分は、星図の中心を含む楕円形をしている。ある緯度についての星図でも、それより高緯度向けのマスクであれば後ろが透けて見える窓の部分の形を変えることで対応することができる。しかし、低緯度側にずれると新たに見える星が増えるため対応できない。図法の性質上、低空近くの星座はかなり形が歪んでしまう。
使用時は星図の外側についている日付目盛りとマスクの外側についている時刻目盛りを知りたい星空の日時にあわせる。するとマスクの窓に知りたい星空が現れる。方位は円盤外側が南、中心があるほうが北、南を下にして左が東右が西である。実際の方位と東西が逆なので注意したい。
[編集] 種類
名刺サイズ、ポッケットサイズのものから、大き目の本のサイズのものまでさまざまな形態をとる。現在プラスチック製の円盤型のものが主流であるが、低空部分のゆがみを押さえるために皿型になっているものや、中には万華鏡のようにして使う円筒型のものがある。また、円盤形でも南北の使い分けができるように2つが連なって構成されているようなものもある。
[編集] 歴史
星座早見盤のルーツは、アストロラーベであるといわれている。 成立年代は曖昧で、厚紙印刷が可能になった19世紀からであるという意見が一般的だが、中には17世紀にはもう登場していたと主張するものもいる。