旭電機

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旭電機株式会社（あさひでんきかぶしきがいしゃ）は、神奈川県横浜市に本社を置く、日本の送配電技術の専門メーカーである。送電線架線金物などを生産しており、電力会社を主な取引先としている。

[編集] 沿革

1946年慶應義塾大学工学部の実験工場として発足。
1948年業務の発展に伴い、創業者・森太郎(工学博士)を主脳として旭電機株式会社を創立(7月1日)。「ダブルトーショナルダンパ」を開発。
1949年旧日本発送電(株)へ納入。各電力へ販売開始。
1952年アルミ・銅鋳造を開始。架空送配電線付属品の開発に鋭意取組む。
1953年直線ジョイント(鋼スリーブ偏位防止用貫通ピン方式を考案する。
1960年旭電機技報「AEW」を創刊する。新鋳造工場およびダブルトーショナルダンパ工場竣工。
1961年台湾中華電線電覧公司と技術指導提携契約を締結。CIGRE．SCモントリオールミーティングへわが国として初めて参加、論文「送電線の振動に関する考察」を発表。
1962年ドイツ、カールフィステラー社とMBT、スペーサ、ケンスイクランプの技術提携契約を締結、当社独自に「旭式楔形引留クランプ＝MAT」を開発し納入を開始。
1964年各電力会社の架空配電線のアルミ化に伴い多年にわたるアルミ鋳造、設計、品質保証の経験を活用した各種アルミ製金具類を開発し各方面にご採用をいただく「高低圧用楔形引留クランプ」を開発、製品化。ダンパ機構を組込んだKPR形4導体スペーサを考案する。JR東海道新幹線用アルミ合金製「JR用・ケンスイクランプ」を開発し、その後も各新幹線用に電車線用付属品を種々開発する。
1966年各電力の要請により強風地域及び着氷着雪地域における各種スペーサの性能実証試験及び電線振動の実測を始め、1970年まで継続実施する。
1967年山形県に長井工場設立(1968年操業開始)。
1969年熊本県に熊本工場設立(1970年操業開始)。スイス、ジョージフィッシャー社とスペーサ、米国、カーネイ社と配電用Hスリーブの技術提携をする。東京電力殿と「大容量架空送電技術・金具類の共同研究」を開始する。
1971年ノルウェー、ラウホス社と爆圧ジョイントに関する技術提携「EX式接続管」の開発に成功。山岳地で好評を得る。
1972年 H形分岐スリーブ(ハイネクター)製造販売を開始。
1976年 JR向け水密金具類を開発し好評を得る。小集団活動「QCサークル活動」の導入決定。
1977年送電線用金車通過形(PF)クランプ、逆圧縮形引留クランプの開発完了しシェア拡大に寄与する。川崎工場を閉鎖して製造拠点を長井、熊本の両工場に集約。本社を溝の口に移す。長井研究所発足。
1978年多導体用ボルトレススペーサを開発し信頼度向上、施工品質の安定化の両面より高い評価を得て、その後も国内シェアを高める。創業者森太郎逝去(10月)。長井工場、熊本工場の生産設備、試験設備の増強に着手する。あわせて地中線ケーブル付属品の開発研究を増強。
1980年資本金を2億4千万円に増資。長井工場JIS表示工場となる。山形県立川町に「清川ダシ」を有効活用した実規模大のUHV最上試験線を建設し実測開始して100万V対応の送電線付属品開発の端緒を開く。
1982年 JCAA入会。地中線付属品(クリート、支持材)の販売増加する。
1983年絶縁抵抗測定装置「メガリングフィルター」開発。各電力より冬季の着氷雪状況の観測と解析等の業務も増大する。
1984年地中線用付属品(東電向けクリート、支持材、中部電力向け地中配電用クラスター)の売上拡大。開発済のクリスマスツリー型ダンパ(XD)大量受注あり。
1987年軸力管理型ボルト・ナット「SPロック」開発。NA生産方式導入。資本金を3億円に増資。配電研究棟を新設して接続材料の各種ヒートサイクル試験やトラッキング試験装置、塩水噴霧試験装置等々、経年劣化特性を検証する体制を充実させる。
1989年低圧分岐屋測箱を開発。
1990年研究体制強化をめざして社内の機構改革あり。
1991年中国(上海市)において製品説明会を開催、以後継続。「SPロック」を組み込んだ製品(S式T他)販売拡大。Mr．Low、Mr．Youngを製品化する。
1992年ドイツ、カールフィステラー社とプラグインケーブルコネクターシステムの技術契約完了、国内販売を開始。高電圧試験室を新設。海外向け技術供与としてインド、スターアイアン社へスペーサのノウハウを供与する。
1993年あさひPRO全社運動スタート。地中線金具の腐蝕、劣化研究を目的として模擬洞道を設置する。
1994年落雷表示器(製品名：かみなり番)を開発、販売。最上実規模試験線に3基(2径間)を増設しギャロッピング他実証試験をより強力に展開。
1995年中華人民共和国上海にて、上海旭線路金具有限公司設立。JCAA正会員資格取得。加圧ゲル製法によるエポキシ注形設備設置。鋼構造物工事業(一般)取得。
1996年コンポジット相間スペーサ・大束径ボルトレススペーサの開発。PDスリーブ・カバー販売開始。長井研究所へ樹脂試験設備整備。東京電力地中線受金物、支持金物、立金物型式取得。韓国、宝星重電機と技術援助契約締結。MacleanPowerSystems社とポリマー碍子で輸入代理店契約。
1997年東京電力向け配電アルミ線用直線スリーブ、分岐スリーブ、締付コネクタ及びカバー販売開始。東京電力向け低圧引留クランプ、大容量アルミ線用高圧引留クランプ販売開始。鋼構造物工事業(特定)登録。
1998年電気学会論文誌Bに論文(共著)「風の乱れを考慮した架空送電線のギャロッピング解析」を発表。電気工事業(特定)登録。品質管理の国際規格である「ISO9001」の認証資格取得。ホームページ開設。
1999年「溶融接続工法の開発・実用化」で鈴木賞受賞。中華人民共和国湖北省襄樊市に湖北旭通送電設備有限公司設立。本社・東京営業所を横浜市青葉区あざみ野南に移転。
2000年福岡営業所と広島営業所を統合し、西日本営業所と改称(所在地は旧広島営業所に同じ)。最上試験線、UHV(6号、7号増設)竣工。東京営業所を本社営業部に統合。
2001年品質マネジメントシステム ISO9001 認証更新。
2003年 2月に環境マネジメントシステム ISO14001 を認証資格取得。日光工場を設立。長井工場(山形県)、熊本工場に続く、当社3番目の工場として操業開始。
2004年仙台営業所を本社営業Gに統合。上海洋山国際深水港プロジェクト向け110kV電力ケーブル用アルミクリートの技術支援。「溶融接続工法の開発」で澁澤賞を受賞。
2006年雪害対策品としてルーズスペーサを各電力で採用。営業G東北事務所を開設。
2007年福祉事業推進活動で厚生労働大臣より表彰を受ける。西日本営業所を移転。当社のルーズスペーサが、第32回発明大賞にて「発明功労賞」を受賞。「ギャロッピング対策用ルーズスペーサの開発」で澁澤賞を受賞。
2008年「ギャロッピング対策用ルーズスペーサの開発」で、（社）日本電気協会関東電気協会殿より「考案表彰最優秀賞」を受賞。大阪営業所を移転。名古屋営業所を移転。