日野ミッドナイトグラフィティ 走れ!歌謡曲
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日野ミッドナイトグラフィティ 走れ!歌謡曲(ひのミッドナイトグラフティ はしれ!かようきょく)は、1968年11月18日に放送を開始した文化放送のラジオ番組で2008年で放送開始から丁度、40周年を迎える大長寿ラジオ番組(長寿番組)である。2006年4月1日までは火~日曜未明(月~土曜深夜)3:00 - 5:00に放送していた。2006年4月3日からは火~土曜未明(月~金曜深夜)3:00 - 5:00に放送している。
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[編集] 番組概要
- スポンサーに日野自動車がついていることからでもわかるように、深夜から早朝にかけて働く長距離運行トラック及び夜行高速バスの運転手(日野ファミリー)をメインターゲットに据えて、演歌を中心とした音楽のリクエストに答応える。(最新の曲が流れることも少なくない)番組テーマ曲はWhistling Jack Smith(口笛ジャック)の「I Was Kaiser Bill's Batman(口笛天国)」。(日野自動車のテレビCMでも流れている)1991年のサブタイトル変更時から2002年10月6日放送分までは、Paul Mauriat (ポール・モーリア・グランドオーケストラ)の「Pour Un Flirt(青春に乾杯)」が使われていたが、その後「口笛天国」が再び使われるようになり現在に至る(但し、正月編成や「目指せ100曲!オールリクエストウィーク」と言った特別編成が組まれる場合には、先述の「Pour Un Flirt(青春に乾杯)」がエンディング曲として使用される場合がある)。
- 番組開始当初は「日野ダイナミックスコープ」というサブタイトルだったが、1991年から現在のサブタイトルとなる。ライバルTBSラジオが後追いで似たようなコンセプトで1974年~2001年に「いすゞ歌うヘッドライト~コックピットのあなたへ~」を制作した(ちなみに日野自動車は元々いすゞ自動車の前身・ヂーゼル自動車工業の日野工場から分離独立した企業である)。ネット局は「歌うヘッドライト」のほうがはるかに多かったが、時間短縮を経て先に終了している。
- 当初は文化放送のアナウンサーやフリーアナウンサーが出演していたが、1980年に川中美幸が出演して以来、週1回程度(2回のときもある)演歌歌手がパーソナリティを勤め、以後は松原のぶえ、坂本冬美、香西かおり、村上幸子(故人)、城之内早苗、大石円(まどか)、Gパン娘。(上杉香緒里、水田竜子、渡辺ひろ美(現・鹿島ひろ美))、市川由紀乃、大黒裕貴、南かなこが担当してきた。またコーナー担当という形で田川寿美(たがわ としみ)、多岐川舞子、瀬口侑希(せぐち ゆうき)、井上由美子も出演(後に井上由美子は火曜日のパーソナリティに昇格している)。
- 1991年から1999年にかけては日曜日(土曜深夜)を「サンデースペシャル(サンスペ)」として特に若者層に番組に参加してもらえる内容にした。1991年担当の田中義剛は番組唯一の男性メインパーソナリティだった。その後、ナース井手、冨永みーな、渋谷琴乃など、主にタレントが担当していたが、1999年4月から平日のスタイルに近い形に戻した。ただ、番組後半(4時台 日によって3時台にも)のゲストコーナーは演歌・歌謡曲系の歌手がメインであるが、日曜はサンスペの名残りもあり、ポップスやニューミュージック系の歌手も出演することがある。なお2006年4月1日深夜(2日未明)を最後として土曜深夜=日曜未明の放送が終了している。
- 3:00台に交通情報と天気予報、4:00台に交通情報(2005年4月から。それまで交通情報は3時台のみだったものの、1991年以前は4時台にも放送していた)を放送する。また、突発の事故・事件が入った場合スタジオに文化放送報道部(現:報道制作部)のキャスターが登場することがある。以前は3時台にニュース・スポーツニュース(最初はパーソナリティーが担当したが、その後は報道記者・アナウンサーが担当した)を放送したこともあった。2001年9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生したときはこの日のパーソナリティは登場せず番組自体も休止し報道特番として放送したことがある。(但し、番組内のCMはいつも通りだった。)
- 3:00台・4:00台の計3回「歌うヘッドライト」と同様に中田譲治のナレーションによるインフォマーシャルを放送(あの「~なんですね」で必ず終わるDJ風のナレーションがリスナー&日野ファミリーの虜になると同時に其の前にはトレビアとも言われる情報を放送している)。歌うヘッドライトとは違い3:00台冒頭・4:00台終盤のみ提供クレジットも兼ねている。また、3:00台の交通情報と天気予報の後、番組パーソナリティによるネット局の読み上げもしている。
- 2006年6月23日未明に民放ラジオ全局が「2006 FIFAワールドカップ」中継の為、「走れ!~」自体の放送が3:40迄の40分間に短縮して放送した。その際、番組の冒頭ならびに終了間際に於いて番組パーソナリティ自ら提供クレジットの読み上げを行っている(4時台の交通情報・スポーツニュース・ドラパラ・インフォマーシャルは放送せず)。また、2005年6月3日未明に東海ラジオが「2006FIFAワールドカップ・アジア地区最終予選 バーレーン-日本戦」の中継の為途中とびのりの形で放送した。(この中継はニッポン放送制作・1:00~3:00の「オールナイトニッポン」を放送しているCBCラジオが通常放送した為、通常自社制作番組を放送している東海ラジオがネットした。)
- 2006年7月21日深夜(22日早朝)の放送で、走れ!歌謡曲の文化放送四谷旧社屋からの放送が終了、翌週より浜松町新社屋からの放送という事で四ツ谷旧社屋時代の思い出メッセージを募った。
[編集] 現在のネット局
- 文化放送(東京)
- 静岡放送(4:00まで)
- 東海ラジオ放送(愛知)
- 北日本放送(富山)
- 福井放送(4:00まで)
- 大阪放送(ラジオ大阪)(ただし、ラジオ・チャリティー・ミュージックソンのある12月25日朝の放送はなし)
- 中国放送(広島)
[編集] 放送における地域局ごとのネット調整事情について
- 大阪ではTBSラジオ制作のあなたへモーニングコールは、この番組をネットしているラジオ大阪で時差ネットで5時から放送されており、結果的に同時刻で放送されているライバル番組を続けて放送していることとなる。これは、JRN加盟の毎日放送や朝日放送が番組編成上によりネットされていないことによるものである。またかつては同じくこの番組のライバルだったいすゞ自動車提供の歌うヘッドライトをネットしていた毎日放送だが、あなたへモーニングコールが創価学会提供(毎日放送は創価学会のCMを一切流さない方針を打ち出している)のためネットしないことにより、TBSラジオがラジオ大阪にネットを打診したものと思われる。現在ラジオ大阪では旧日曜日枠の3時台に「テイチク・ミッドナイト歌謡曲」を2006年4月16日から、4時台に「まもなく夜明け 米朝事務所です」を同年5月28日から放送している。
- 2000年12月~2006年3月に、BSデジタルラジオ・BSQR489で日曜未明(土曜深夜)以外の放送のディレイ放送が行われていた。
- 東海ラジオでは現在、旧走れ歌謡曲日曜日枠にて自社製作の「松原敬生のシャレアップ歌謡曲」を2006年9月30日より放送している。
- 北日本放送(富山県)での番組ネットについては、スポンサーである日野自動車と縁が深い大手運送会社・トナミ運輸の本社が富山県内にあることが理由だといわれている。
- 静岡放送と福井放送の番組ネットについて
- 静岡放送(SBS)は2003年4月1日放送分から、福井放送(FBC)は2007年4月3日放送分から、それぞれ3:00から4:00までの1時間に限りネットを開始した。
なお2社ともにこの番組のネット開始前までは、JRNの同時刻の番組を同時またはテープネットにて放送していた(SBSは「JUNK」(TBSラジオの24時台)終了まで、FBCは「JUNK2」放送途中の2007年3月まで)。 - この2社では「あなたへモーニングコール」のネットスポンサー(創価学会)契約上の都合もあり、4時までで放送を切り上げる。その為3:55ごろにかかる音楽をバックに「まもなく4時になりますが、静岡放送、福井放送でお聞きの皆さんとはこの曲でお別れになります…」という旨のアナウンスがパーソナリティから流れている。
ただし静岡放送は日曜版のみ、ネット開始当時あなたへモーニングコールの日曜の放送がなかったため2時間フルネットされていた。
[編集] 現在の出演者(新聞番組表の上では前日深夜扱い)
※この他に2004年7月から隔週水曜日の出演で瀬口侑希が参加している。
[編集] 上記以外の主な歴代パーソナリティ(演歌歌手以外)
- 成田敦子(故人)
- 生涯を描いた映画「チーちゃん、ごめんね」(1984年東宝、西河克己監督)がある。当番組も登場する。
- 美川玲子
- 乾瑞恵(いぬいみずえ・元文化放送アナウンサー)
- 落合恵子(1968年番組開始から1970年3月まで。元・文化放送アナウンサー、退社後作家に専心。)
- 兼田みえ子
- 相馬宏美(1993年10月から1999年3月まで『パネルクイズアタック25』(朝日放送)の問題出題を担当。)
- 神田陽子(女流講談師)
- 長谷由子
- 竹谷英子(1979年4月から1984年3月まで『おはようスタジオ』(テレビ東京)の司会。現・悪役商会社長)
- きうち玲子
- 山加朱美(現・東京都議会議員)
- 平野文
- 筒井たか子(一時期『ルックルックこんにちは』(日本テレビ)に出演していた。)
- 戸田恵子
- 冨永み~な
- 鈴木淑子(競馬ジャーナリスト)
- 水谷加奈(文化放送アナウンサー)
- 紀平真理
- 金子ひとみ
- 新山志保(故人)
- 尾崎由美
- 白沢みき(2000年~2003年3月まで「白沢みきのモーニングTOKYO」(TOKYO MX)を担当。)
- 水井久美
- 大鹿貞子
- 宮内理恵
- 内山久美子
- 寺瀬めぐみ(現・寺瀬今日子)
- 松坂順子
- 鈴木純子(文化放送アナウンサー)
- マンスリー・パーソナリティ
2002年4~9月には番組開始35周年記念企画と題して毎週木曜日(水曜日深夜)に「マンスリー・パーソナリティ」として、過去に担当したパーソナリティが1ヵ月ごとの交代出演で番組を担当した。自らのパーソナリティ時代のエピソードや番組の歴史などについて触れていた。
- 4月 水井久美
- 5月 神田陽子
- 6月 大石まどか
- 7月 寺瀬今日子
- 8月 金子ひとみ
- 9月 鈴木淑子
- 番組開始40周年記念スペシャルパーソナリティー
番組開始から40年目を迎えた2007年11月には、番組開始40周年記念企画と題して11月19日深夜から5日間に渡って過去に同番組を担当したパーソナリティーが日替わりで出演。出演当時の思い出を語ったり、放送開始からの39年間を当時の楽曲と出来事などで振り返ったりした。
- 11月20日(19日深夜) 大石まどか
- 11月21日(20日深夜) 紀平真理
- 11月22日(21日深夜) 筒井たか子
- 11月23日(22日深夜) 松原のぶえ
- 11月24日(23日深夜) 尾崎由美
また1990年の村上(同年7月没)、1997年の寺瀬、1998年の新山(降板後の2000年2月没)、最近では2004年の南かなこがそれぞれ病気療養中で長期離脱中だったとき、あるいは現在のパーソナリティーがドライブインレポートやその他の所要などで出演できない場合にも歴代パーソナリティーや番組縁の歌手がピンチヒッターとして番組を担当する場合がある。レギュラーパーソナリティーと一緒に歌手が「スペシャルパーソナリティー」として出演することもある。
[編集] 企画コーナー
- 1980年代には、東海ラジオ、ラジオ大阪から入中の地域の話題をレポートするコーナーがあった。
- ドライブインレポート(随時実施) 各パーソナリティーや番組縁の歌手が全国各地の高速道路のドライブインやパーキングエリア、また各地の日野自動車販売店・支店などを訪れてその地域の特性豊かな情報を届けるとともにインタビューを受けたドライブインなどのスタッフの方からのリクエスト音楽をかける。但し、諸般の事情によりここ数年はドライブインレポートは実施されていない。
- ドラパラ(放送全曜日3:30ごろ 2005年5月スタート) タイトルは「ドライバーズ・パラダイス」の略。内容は週ごとによって異なるが、番組のリスナーへの役に立つ情報や豆知識、番組推薦の新譜情報、また番組を聴いているドライバーからのリクエスト音楽や伝言メッセージの紹介、ドライブイン情報やそれに関連したクイズなどを放送している。
- パーソナリティ企画(放送全曜日) 各曜日ごとにパーソナリティーの個性を活かした様々な企画を展開している。代表的なものには以下のものが挙げられる。
- 生歌コーナー(Gパン娘、大黒)
- 歌声喫茶「四ツ谷あかつき」(岩波、瀬口=隔週)
- 2006年7月の新社屋移転に伴い、「浜松町あかつき」に変更。
- 究極のエンタ道(南かなこ)
- 毎週1人(もしくは1組)のアーティストをピックアップし、彼らの貴重なライブ音源を当時のエピソードとともに紹介するコーナー。
- 但し、長島(現・長嶋)茂雄(元巨人軍選手、現・巨人軍終身名誉監督)の現役引退セレモニーでのスピーチや、高倉健の詩の朗読など、まれにアーティストでない人たちの音源やエピソードが紹介される事がある。
- 新譜ダイジェスト(小池 毎月1回・第1、または第2土曜日)
- 基本的には、新聞番組表掲載上の曜日で第1金曜日深夜に相当する日に行うため、1日が土曜日となった場合は8日未明(7日深夜)に放送する形となる
- 現在は「ドラパラ」内で毎月第1週目の各曜日毎に2曲~4曲の割合で放送している
- ラジオドラマ
- 「男と女歌謡人生模様」(新山→内山、大黒=隔週、この時は「黒木梨花」として)
- 「サタデーロマン→歌謡ロマン」(寺瀬 当初は毎週だったがのちに隔週に)
- 「演歌の風景」(寺瀬 隔週)
- 「連続ドラマ」(大石)
- 「宮内理恵のひとりごと」
- ZUN子シリーズ(鈴木純子)
- 「気象予報士ZUN子のお悩み相談」
- 「ZUN子先生の恋愛ホームルーム」
- 「実況ゲーム」
[編集] 年始の特別編成
2003年まで毎年1月1日(元日)放送は全曜日パーソナリティーと番組に縁の深い歌手、レコード会社、スポンサーの日野自動車の関係者らが総出演し生放送で歌手の歌を披露する特別版として放送されていた。また、関東地区のみこの日だけ2:00から放送していた。また、2001年のように、元日が月曜日の時はネット局では放送がなかった。
- 年始第1週の放送分は、原則として撮って出し(前年末に予め収録したものをそのまま生放送に準じた形式でオンエアする)という形で放送される。(当該日の放送は録音放送のため交通情報や天気予報、スポーツニュース、メールによるリクエスト告知などがない)
- 2003年以降の録音放送日
- 2003年 1月2~5日(木~日曜放送分、1月7日(火曜日)より通常放送)
- 2004年 1月1~4日(木~日曜放送分、1月6日(火曜日)より通常放送)
- 2005年 1月1~2日及び4日(土、日、火曜放送分、1月5日(水曜日)より通常放送)
- 2006年 1月1日及び3~8日(日曜日及び翌週放送分、1月10日(火曜日)より通常放送)
- 2007年 1月2日~6日(新年第1週放送分、1月9日(火曜日)より通常放送)
- 2003年以降の録音放送日
[編集] 番組発のCD・歌手
- 2002年に放送開始35周年を記念した企画としてこの34年間のヒット曲を収録したアルバム「走れ!!歌謡曲~プラチナ編~」「同~シルバー編~」を発売した。これは小池、水井、金子、鈴木(淑)の4人の歴代パーソナリティーが当時の世相背景や番組の歴史を描きながら当時のヒット曲を収録した。更にその中から要望の多かった演歌に特化したアルバム「走れ!!歌謡曲・演歌スペシャル編~あなたの十八番~」がその後発売された。
- また番組35周年記念ヴォーカリストオーディションでグランプリを獲得した井上が2003年1月に演歌歌手としてデビューを果たした。その後毎週火曜日未明のコーナーレギュラーを経て、2006年4月4日早朝放送分から火曜日のメインパーソナリティとして出演中である(2007年3月27日放送分までは鈴木(純)と二人で担当)。
- 2004年11月には「夜明けの惑女。(マドンナ)」と題した4人組のユニット(番組メインパーソナリティの中尾、岩波、小池、鈴木(純)で結成)が「キツネとタヌキ」(岩波を除く3人が歌唱)、カップリング「振りむかないわ」(岩波のソロ歌唱)で歌手デビューしている。
- 2007年に放送開始40周年を記念した企画として、過去39年間のヒット曲を収録したアルバム「走れ!歌謡曲~スーパーデラックス~」「同~ベスト・トラックス~」を発売。前述の「プラチナ編」「シルバー編」同様、筒井・尾崎・小池・紀平の歴代パーソナリティー4人が、放送当時の時代背景や番組の歴史などを織り交ぜながら、番組に寄せられたリクエストの中から最も多く寄せられたリクエスト頻度の高い70曲以上を選曲・収録している。
[編集] 関連・裏番組
- 新世紀歌謡大行進(BSQR489 2000年12月~2004年9月)
- JUNK2(TBSラジオ、裏番組)
- あなたへモーニングコール(同上)
- いすゞ歌うヘッドライト〜コックピットのあなたへ〜(同上、1974年~2001年)
- オールナイトニッポンエバーグリーン(ニッポン放送、裏番組)
[編集] 外部リンク
[編集] 放送時間の移り変わり
文化放送 火曜~土曜3:00~5:00枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
26:10~28:30:東京ミッドナイト
28:30~29:00:モーニングポップス |
走れ!歌謡曲
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-
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文化放送 日曜3:00~5:00枠 | ||
27:00~28:00:ダンディコーナー
28:00~29:00:モーニングジョッキー |
走れ!歌謡曲(1968.11.23~2006.4.1)
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