新直轄方式
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新直轄方式(しんちょっかつほうしき)とは、高速自動車国道や都市高速道路の建設等において、国と地方自治体が資金協力して建設する方式のこと。完成後は無料開放となる。
基本的に、料金収入により管理費が補えない採算性に乏しい路線など、新会社による整備・管理が難しい路線が多いが、道東道の本別IC~釧路IC(仮称)間のように需要が見込め国の方針でも従来通りの建設整備であった路線が、整備促進を促すという目的で住民運動によって新直轄を選択した路線もあるため、一概に需要が低いとはいいきれない。すなわち、新会社による整備の補完措置として国と都道府県が建設・管理費用を分担して行なう方式である。
費用の分担比率は、
国 | : | 沖縄県 | = | 10 | : | 0.5 | = | 100 | : | 5 |
国 | : | 北海道 | = | 10 | : | 1.5 | = | 100 | : | 15 |
国 | : | 上記以外の都府県 | = | 3 | : | 1 | = | 100 | : | 33 |
となっている。
これは都道府県の財政負担伴うことから、積極的な整備促進を促す目的と同時に、採算性が乏しい路線を地元自治体が見直すことを促すという2つの側面が重要視されている。従来の中央集権的な対応とは異なる方式である。
新直轄という意味は、これまでにあった税金(国と県の建設費負担は2対1 = 100対50)、又は追加で東日本・中日本・西日本の各高速道路会社(民営化以前は日本道路公団 (JH))等から建設費を投入されて建設される方式の高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路(A'路線)とは別の新しい方式という意味である。
しかし、2007年9月22日に放送された「ウェークアップ!ぷらす」(日本テレビ・読売テレビ系)によると、地元自治体負担分がそのまま地方交付税の形で国から実質的に戻されていることが多く、「これでは国が全額負担していることと何ら変わらない」「形を変えた地方へのバラマキだ」との批判も出ている。