敷居
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敷居(しきい、閾)は、襖や障子などの建具を立て込むために開口部の下部に取り付ける、溝やレールがついた水平材。上部に取り付ける鴨居と対になっている。強度と滑りやすさが求められ、松が一般的で、他に栂や桜、檜が好んで使われる。それでもすべりにくい場合は、蝋を塗ったり、専用のシールテープをはって滑りをよくすることもできる。
[編集] 構造
真壁の和室に襖などの木造建具を立てる場合は、畳等の床上面より以下となる柱の一部にほぞを造る。内側から見て左側に"目違い入れ"、右側に"まちほぞさし"を造る。右側は、"横栓"を併用する。予め造った窓台の上にたわまないよう、また、仕上げとして都合のよい方法で固定する。外部に接する木造建具には、水垂れ勾配を付けた皿敷居を用いる。施工方法は、ほぼ同じで、比較的簡略化した方法でつけられることもある。雨戸などを立て込む場合は、レールや溝が一本しかない一筋敷居を用いる。
開き戸などでは、下枠(靴摺り)といい、床との境界を正確に収める必要がある。専ら、床に被さる部分があるか、床のうえに施工されることが多い。バリアフリーを行った住宅や施設などでは床に直接レールや溝が付けられているか、敷居・下枠そのものがない場合もある。
[編集] その他
室内空間を隔てる境界としての要素を持ち、慣用句としてもよく用いられる。
礼儀作法において、敷居は踏んではいけないものとされている。(敷居をまたぐ)