探偵小説四十年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
---|
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
『探偵小説四十年』(たんていしょうせつよんじゅうねん)は江戸川乱歩の探偵小説作家としての自伝である。連載期間が10年以上あり、連載期間、ページ数ともに江戸川乱歩の最大作品となっている。
連載中の昭和29年11月に『探偵小説三十年』として岩谷書店から出版された(著者還暦記念)。また、完結後の昭和36年7月に桃源社から『探偵小説四十年』として出版される(菊版三段組562ページ、定価1300円、初版は限定)。現在では、光文社より、江戸川乱歩全集第28、29巻に『探偵小説四十年(上)』、『探偵小説四十年(下)』として刊行されている。
目次 |
[編集] 執筆時期
[編集] 連載
- 『探偵小説思ひ出話』(森下雨村)「新青年」の後を昭和24年10月号~昭和25年7月号(「新青年」が廃刊)まで連載。
- 雑誌「宝石」にて「幻影城通信」の後を昭和26年3月号~昭和35年6月まで連載。連載時タイトル『探偵小説三十年』、昭和31年4月連載分から題名『探偵小説三十五年』。
[編集] 休載
- 昭和31年1月~3月(貼雑年譜の資料整理のため)
[編集] 光文社文庫版目次
- 自序
- 処女作発表まで
- 余技時代(大正十二・三年度)
- 探偵作家専業となる(大正十四年度)
- 東京に転宅(大正十五(昭和元年度))
- 放浪の年(昭和二年度)
- 「陰獣」を書く(昭和三年度)
- 生きるとは妥協すること(昭和四年度)
- 虚名大いにあがる(昭和五年度)
- 最初の江戸川乱歩全集(昭和六年度)
- 二回目の休筆宣言(昭和七年度)
- 精神分析研究会(昭和八年度)
- 小栗、木々の登場(昭和九・十年度)
- 甲賀・木々論争(昭和十一・十二年度)
- 隠栖を決意す(昭和十三・四・五年度)
- 末端の協力(昭和十六・十七年度)
- 愈々協力に励む([[昭和十八・九年度)
- 戦災記(昭和二十年度)
- 探偵小説復活の昂奮(昭和二十一年度)
- 探偵作家クラブ結成(昭和二十二年度)
- 探偵小説第三の山(昭和二十三・四年度)
- 「幻影城」出版と文士劇(昭和二十五・二十六・二十七年度)
- 涙香祭と還暦祝い(昭和二十八・二十九年度)
- 小説を書いた一年(昭和三十年度)
- 英訳短編集の出版(昭和三十一年度)
- 追記(昭和三十二年度)
[編集] 横溝正史
探偵小説作家の横溝正史(金田一耕助が登場する作品の執筆者)は、江戸川乱歩と深い関わりがあり、横溝正史自身も随筆集として『探偵小説五十年』を執筆している。
[編集] 付録
- 作品と著者・・・年度別に執筆作品(小説・随筆・評論)と著書、講演、放送(ラジオ/テレビ)、映画などをまとめたもの
- 江戸川乱歩既刊随筆評論集目録
- 写真人名索引
- 人名索引
[編集] 「探偵小説40年」出版記念会
日時 昭和36年7月1日
場所 日活國際會館シルヴァールーム
発起人のうち主な人物
など豪華な面々だった。
[編集] 貼雑年譜
これは江戸川乱歩が自分に関する資料(新聞記事、雑誌の切り抜き…)を集めコメントなども付してあるものである。全部で9巻あり、1、2冊目が戦前で、3冊目が戦中、それ以降が戦後である。戦前のものは戦争中の暇な時間を活用して作ったもので、コメントが丁寧に書き添えられている。3冊目以降は、「探偵小説四十年」の執筆に併せて作られたものである。なお、このとき「探偵小説三十年」は一時休載し、整理後、「探偵小説三十五年」として執筆再開されている。