手技療法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
手技療法(しゅぎりょうほう)とは、薬やサプリメント、器械や道具、鍼、灸などを一切を使わずに素手だけで行う治療法をさす。日本国内において代表的なものに、按摩、マッサージ、指圧、柔道整復術並びに理学療法があり、これらは以下の通り法律により規制されている。しかし、これら法律で認められた手技療法以外にも、民間レベルでは多くの各種手技療法が存在し、同じく法的に規制されていない素手以外で行う療術とともに民間療法と総称されている。すべての民間療法は、医療行為又は医業類似行為としては業となすことは出来ないはずであるが、現実には、その効果が人体に無害である限りにおいて、日本国憲法で保障されている職業選択の自由を根拠にして存続しているようである。
目次 |
[編集] 法律による規制
日本で人体に「なでる・押す・揉む・叩く」など総ての手技療法行為を行なう際、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(昭和22年12月20日公布)において、あん摩マッサージ指圧師免許もしくは医師免許(共に国家資格)がなければ業として、又は金品の授受が無くとも継続的に行うことはで出来ず、違反者は50万円以下の罰金である。 ここでいう「業」とは、「不特定多数に対して、反復継続の意思をもって行うこと」を言う。
柔道整復師は、柔道整復師法(昭和45年4月14日公布)により治療に伴うマッサージ行為が限局的に認められている。
理学療法士は、理学療法士及び作業療法士法(昭和40年6月29日公布)により病院若しくは診療所において、又は医師の具体的な指示を受けてのみマッサージを行なう事が出来る。
[編集] 手技療法一覧
[編集] 日本国 認可手技療法
いわゆる国家試験に合格後、試験財団を通じて厚生労働大臣により免許を受けるもの。
手技療法において「免許」「有資格者」というと、通常、これらの免許、および免許を持つ者をいう。
[編集] 日本国 無認可手技療法
医業類似行為として行えない手技療法・・・按摩、マッサージ、指圧、柔道整復並びに理学療法以外のすべての手技療法
日本国内において、国家試験および国家資格は存在しない。
- オステオパシー
- カイロプラクティック
- スポンディロセラピー
- 整体
- 経絡筋整
- 姿勢保健均整
- 推拿(中国式整体の事)
- 整膚
- クイックマッサージ
- スポーツマッサージ
- エステマッサージ
- フェイスマッサージ
- アロママッサージ
- タイ式マッサージ
- 足ツボマッサージ
- リフレクソロジー
- ロミロミ
[編集] タイ王国 認可手技療法
他国の資格であるが、「タイ・スパ・サービス」を許可するにあたり、日本国内で左記サービスに伴う施術が可能であるか検討を開始する予定。
[編集] 無資格マッサージ師問題と手技療法
九〇年代に全日本鍼灸マッサージ師会が会報のタイトルを「鍼灸手技療法斯界通信」に改め、あるいは筑波大学附属視覚特別支援学校が、鍼灸マッサージ師のための職業課程を理療科から鍼灸手技療法科に改めるなど、とくに視覚障害者に関連のあるところであん摩、マッサージ、指圧を統合して、『手技療法』と呼ぶ動きが出ている。
これは現行のあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律に、あん摩、マッサージ、指圧の定義が無く、そのために整体やカイロ、気功、○○式マッサージなどの、「無資格マッサージ師」を許す原因になっており、それらを認めないようにするために、こうした治療を一括して手技療法と呼び、免許も「あん摩マッサージ指圧師」から「手技療法師」にしようという考えがある。 ちなみに、按摩マッサージ指圧師の技術は、按摩・マッサージ・指圧以外に、オステオパシー・カイロプラクティック・整体・リフレクソロジー・整復・ロミロミ・足つぼマッサージ・アーユル・ヴァーダ・推掌等の全ての手技技術も、この範中として含まれ、無資格者は違法行為である。