房中術
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房中術(ぼうちゅうじゅつ)とは男女の精気を循環させることによって不老不死の仙人となるための道教の煉丹術のうち内丹術の養生法。
中国の古代から伝わる陰陽五行説においては陰陽の結びつきによって万物が成り立っているとされる。そこから男(陽)と女(陰)の自然の理につながると考えられた。
道教の流派のうち房中術を行なう流派には、男性は女性の弟子、女性は男性の弟子と修行する男女双修の南派、東派、西派と男性のみの三峯派がある。
男女が裁接することで精を循環(還精)させるが、「男不寛衣、女不解帯」という流派もある。
性行為を行なう房中術には様々な性行為のテクニックが含まれているが、女性が十分に興奮した状態で交わること、男性は精(精液のことではなく気の一種)をもらさずに交わることが随所で説かれている。
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[編集] 『玉房秘訣』
『玉房秘訣』では性交中の女性の反応、仕草を見て適切な対応をするための方法(五徴・十動)を説いている。
五徴
- 顔が火照ったら、ゆっくりあてがう。
- 乳首が堅くなり、鼻に汗が滲んだら、ゆっくり入れる。
- 喉が渇いて唾を飲み込むようになったら、ゆっくり出し入れを始める。
- 淫液が出てきたら、徐々に深く入れる。
- 液が外に流れてきたら、徐々に抜く。
十動
- 抱きついてくるのは体を寄せて股をくっつけたいからである。
- 腿を張るのは、上の方をこすりつけたいからである。
- 腹を張るのは、液をもらしたいからである。
- 尻を動かすのは、良くなってきたからである。
- 足を上げて絡み付けるのは、深く入れたいからである。
- 股をすぼめるのは、中がムズムズしてたまらないからである。
- 腰を横に振るのは、左右をきつくついて欲しいからである。
- 身体を浮かすのは、良くてたまらないからである。
- 身体を伸ばすのは、頭から足まで快感が走るからである。
- 淫液でツルツル滑るほど濡れてきたら、精をもらしたのである。
[編集] 参考文献
『道教の房中術』土屋英明著 文春新書