愛の妖精
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愛の妖精（あいのようせい、La Petite Fadette）は、フランスの作家ジョルジュ・サンド書いた小説。1849年初版。原題は「小さなファデット」。 フランスの田園地方を舞台に、双子の兄弟と野性的な少女ファデットの成長と恋愛が、繊細な筆致でみずみずしく描かれる。
目次 |
[編集] 登場人物
- シルヴィネ：双子の兄。
- ランドリ：双子の弟。
- ファデット（こおろぎ）：野性的な少女。
- 「ばった」：ファデットの弟。
- ファデばあさん：ファデットの祖母。魔法使いとおそれられている。
[編集] あらすじ
コッス村の裕福な農家の家に、美しい双子（一卵性双生児）の男の子が生まれる。父親は誰からか、「双子はお互いの愛情が強すぎて、離ればなれになると生きていけない」と聞いていて、それがちょっと心配だった。
双子はすくすく成長する。次第に性格の違いもわかってきて、弟ランドリは陽気で快活だが、兄のシルヴィネは優しいが、ちょっと内気だった。しかし、仲は良く、いつも一緒だった。
生活が苦しくなったので双子のどちらかを奉公に出そうということになり、ランドリが志願する。シルヴィネには奉公は耐えられないだろうと思ったからだ。事実、離ればなれになることでシルヴィネは見るも哀れなくらい落胆していた。
村の子供たちが魔法使いとおそれている老婆がいた。ファデばあさんで、ばあさんには2人の孫がいた。その姉ファデットは、小柄で、痩せていて、色は黒くておしゃべりで、からかい好きで、子供たちに敬遠されていた。もちろん双子も苦手だった。
シルヴィネは、ランドリが奉公先の娘や新しくできた友達と遊んでいると思うと、どうしようもない疎外感におそわれた。そんなある日、シルヴィネが行方不明になった。ランドリは兄が命を絶とうとしているのではないかと、慌てて探しに行くが見つからない。絶望に目の前が真っ暗になりかけた時、ファデットが現れ、シルヴィネの居場所を教えてくれた。シルヴィネは無事見つかった。
これまでろくに話したことがなかったが、事件以降、ランドリはファデットと話す機会も増え、ファデットが物知りで、また踊りが上手なことを知った。ファデットの魅力に気付いたのだ。ファデットもまたランドリと付き合ううちに、おしゃれに目覚める。それまでファデットは自分は醜いと思い、回りもそう思っていたのだが、見違えるように綺麗になる。
二人が付き合いだしたことを知ってシルヴィネが嫉妬する。父親も世間体を気にして反対する。ランドリは理解してもらおうと懸命だが、シルヴィネが泣き出し、見かねたファデットは自分が村を出て行くと言い出すが……。
[編集] 分析
[編集] 翻訳
- 『愛の妖精』篠沢秀夫訳（中公文庫)
[編集] 映像化
※『愛の妖精』映像文学全集シリーズDVD発売元 http://www.ivc-tokyo.co.jp/
