平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線
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門司港レトロ観光線(もじこうレトロかんこうせん)は、福岡県北九州市門司区において計画されている鉄道路線。2009年春の運行開始を目指している。
当路線は、特定目的鉄道の制定後初の事例として2008年6月4日に事業許可を受けた。
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[編集] 路線データ
- 管轄:平成筑豊鉄道(第二種鉄道事業者)、北九州市(第三種鉄道事業者)
- 路線距離:門司港~和布刈公園間 2.0km
- 軌間:1067mm
- 駅数:4駅
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
[編集] 概要
北九州市が観光スポットとして整備した門司港レトロ地区であるが、当地区には鹿児島本線の貨物支線である門司港駅~外浜駅および北九州市が保有する田野浦公共臨港鉄道が存在しており、これらの路線を活用して観光客向けのトロッコ列車を走らせる計画である。現在は日本貨物鉄道(JR貨物)が第一種鉄道事業者となっている門司港駅~外浜駅間は北九州市が買い取る予定[1]。
2008年3月13日に平成筑豊鉄道および北九州市から事業許可の申請が行われ、同年6月4日に許可がおりた[2][3]。以下に予定されている内容を示す。
[編集] 運行計画
- 運行区間:門司港駅~レトロ中央駅~文字ケ関駅~和布刈(めかり)公園駅、4駅・2.0km
- 計画では旧門築大久保駅付近に「瀬戸町車庫」(仮称)を設置する予定だが、和布刈公園駅〜瀬戸町車庫間は旅客営業を行わない方針。
- 運行日:3月中旬~11月下旬の土日・祝日および春休み・夏休み、年間130日程度
- 運行時間帯:10時~17時
- 運行本数:1日14往復
- 列車編成:トロッコ客車2両をディーゼル機関車で挟んだ4両編成(定員約80名)
- 運行速度:15km/h
[編集] 歴史
- 1929年(昭和4年)2月13日 - 門司築港(1944年に門築土地鉄道に改称)により、門司駅(現・門司港駅)~門築大久保駅間(1.5km)が開業。
- 1930年(昭和5年)4月1日 - 外浜駅開業。門司駅(現・門司港駅)~外浜駅までは国鉄鹿児島本線の貨物支線となる。
- 1960年(昭和35年)4月15日 - 門築土地鉄道線が廃止。門築大久保駅~田野浦駅までの側線を含めて市営田野浦公共臨港鉄道となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、門司港駅~外浜駅をJR貨物が継承。
- 1988年(昭和63年) - 北九州市が門司港レトロ第一期整備事業を開始。
- 1991年(平成3年) - 北九州市が門司港レトロの観光客を対象とした観光列車の運転を検討開始。
- この検討の過程で、鉄道事業法施行時の手続きミスが発覚、田野浦公共臨港鉄道が無免許であったことが判明する。
- 1999年(平成11年)5月27日 - 田野浦公共臨港鉄道が外浜駅の側線として認可され、無免許の問題が解決する。
- 2004年(平成16年)3月25日 - 貨物列車の運行が終了する。
- 2005年(平成17年)10月1日 - 全線正式に営業休止。
- 2006年(平成18年)4月29日、30日、5月3日~7日 - 北九州市が田野浦公共臨港鉄道の一部を使用してトロッコ列車を運転するイベントを開催。
- 2006年(平成18年)秋 - 田野浦公共臨港鉄道沿線の和布刈公園付近で土砂災害が発生、線路が土砂に埋まる。翌年2月頃までに土砂を撤去。
- 2008年(平成20年)3月13日 - 平成筑豊鉄道および北九州市が国土交通省九州運輸局に事業許可を申請する。
- 2008年(平成20年)6月4日 - 国土交通省九州運輸局が平成筑豊鉄道および北九州市に対して許可書を交付する。
[編集] 脚注
- ^ 門司港レトロ観光トロッコ列車 全国初の事業申請 北九州市と平成筑豊鉄道 西日本新聞 2008年3月13日
- ^ 門司行レトロ地区に観光鉄道を許可 国土交通省九州運輸局 2008年6月4日
- ^ 門司港レトロ観光列車に係る鉄道事業の許可について 平成筑豊鉄道 2008年6月4日
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 『門司港レトロ観光列車』 鉄道事業の許可申請について(門司港レトロ倶楽部)
- 「門司港レトロ観光列車」事業許可、平成筑豊鉄道と北九州市が申請 (読売新聞)