川端博
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川端 博(かわばた ひろし、1944年5月1日 - )は、日本の刑法学者。団藤重光博士の門下生。
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[編集] 学説
その学説は、違法性論について、団藤と同じ行為無価値論の流れをくむが、理論的には行為無価値論を徹底させ、違法性の判断基準時は行為時であるとし、他方で、従来の行為無価値論と異なり、義務違反性を問題にしないとの立場をとる[1]。
[編集] 経歴
これまで旧司法試験委員、日本学術会議員などを歴任し、日本刑法学会常務理事、慶應義塾大学法学部非常勤講師、放送大学客員教授、法制審議会総会委員、新司法試験考査委員(刑法担当)などを務める。
[編集] 略歴
- 1944年 沖縄県生まれ
- 1967年 明治大学法学部法律学科卒業
- 1971年 司法修習修了(23期)弁護士登録
- 1973年 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了
- 1972年 明治大学法学部助手
- 1974年 明治大学法学部専任講師
- 1977年 明治大学法学部助教授
- 1983年 明治大学法学部教授
- 1987年 法学博士(文書偽造罪の理論、明治大学法第50号)
- 1988年1月 1997年度(旧)司法試験考査委員(刑法担当)
- 2005年1月 法制審議会(総会)委員
- 2006年 新司法試験考査委員(刑法担当)
[編集] 主要著書
−単著−
- 『刑法総論講義』第2版(成文堂)
- 『刑法各論講義』(成文堂)
- 『文書偽造罪の理論』新版(立花書房)
- 『法学・刑法学を学ぶ』(成文堂)
- 『レクチャー刑法総論』(法学書院)
- 『レクチャー刑法各論』(法学書院)
- 『通説 刑法各論』(三省堂)
- 『新訂 刑法』(放送大学教育振興会)
- 『刑法総論25講』(青林書院)
- 『事例式演習教室 刑法』(勁草書房)
- 『論点講義 刑法総論』(弘文堂)
- 『刑法各論概要』第3版(成文堂)
- 『刑法講話1総論』(成文堂)
- 『刑法講話2各論』(成文堂)
- 『集中講義 刑法総論』第2版(成文堂)
- 『集中講義 刑法各論』(成文堂)
- 刑事法研究第1巻『正当化事情の錯誤』、第2巻『違法性の理論』、第3巻『錯誤論の諸相』、第4巻『財産犯論の点景』、第5巻『正当防衛権の再生』、第6巻『定点観測 刑法の判例:1996年度~1998年度』、第7巻『共犯論序説』、第8巻『定点観測 刑法の判例:1999年度~2000年度』、第9巻『事実の錯誤の理論』(成文堂)
- 『カウフマン=ドルンザイファー著 刑法の基本問題』(翻訳)(成文堂)
−共著−
- 『現代刑法理論の現状と課題:川端博対談集』(成文堂)
- 『リューピング著 ドイツ刑法史綱要』(共訳)(成文堂)
- 『刑事訴訟法』新訂版(共著)(創成社)
- 『刑法総論』『刑法各論』『刑事訴訟法』(八千代出版)
- 『刑法理論の現代的展開総論Ⅰ』(日本評論社、1988年)
[編集] 脚注
- ^ 上掲『刑法理論の現代的展開総論Ⅰ』96~122頁