対戦ダイアグラム

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対戦ダイアグラム（たいせん-）、あるいは対戦ダイヤグラムは、コンピュータゲーム、特に対戦型格闘ゲームにおいては、登場キャラクター同士の有利・不利といった相性を表にしたものである。（日本国内において）日常でより一般的意味の「交通機関の運行計画を図示したもの」との混乱のおそれの少ない場合、単に「ダイア（ヤ）グラム」とも呼ばれる。以下、本項目では単に「ダイアグラム」と記述する。

[編集] 概要

対戦型格闘ゲームにおいては登場するキャラクターの数が多く、その際にはバランスの問題から、キャラ差、つまりキャラクター同士の有利・不利が存在することが多い。一例として「スピードに優れているキャラ」、「パワーに優れているキャラ」、「スピード・パワーどちらも平均的なキャラ」の3者がいたとする。スピードキャラは平均キャラに強く、平均キャラはパワーキャラに強く、パワーキャラはスピードキャラに強い、と設定されることが考えられる。こういったキャラ同士の有利・不利を表にしたものがダイアグラムである。多くの場合、さらにそれを数値化し、合計を求めることでキャラクターの強さに序列をつけることが行われる。

n人のキャラが登場するゲームの場合、（「同キャラ対決」、すなわち同じキャラクター同士での戦いはあったとしても互角であるとして考えないことにすると）n(n-1)/2通りの組み合わせが生じるため、ゲームへの熟達度、各キャラの評価によって、また後述の通り作成方式によっても同じ作品でも作成者により作られるダイアグラムは異なる。

対戦型格闘ゲームが流行だった1990年代頃から、「ゲーメスト」などゲーム雑誌に掲載されるようになった。

[編集] 実例

作成方式はいくつかあるが、ここでは2例を示す。

割り振り方式

有利・不利に応じて決められた点数を割り振る。10点を割り振る場合、ほぼ互角ならば5点ずつを、片方が圧倒的有利なら9点と1点となる。

合計を求めたり、仮に全組み合わせが互角である場合（すなわち、全ての点数が5点である時）との比較をすることもある。

対戦ダイアグラム（割り振り方式）

＼	A	B	C	D	E	F	G	H	合計	±	順位
A	-	5	7	7	6	5	5	4	39	+4	2
B	5	-	7	7	6	6	4	3	38	+3	4
C	3	3	-	7	6	8	7	6	40	+5	1
D	3	3	3	-	4	3	4	7	27	-8	8
E	4	4	4	6	-	8	4	3	33	-2	6
F	5	4	2	7	2	-	3	7	30	-5	7
G	5	6	3	6	6	7	-	6	39	+4	2
H	6	7	4	3	7	3	4	-	34	-1	5

単純比較方式

性能差にかかわらず有利ならば○（1点）、不利ならば×（-1点）、互角ならば△（0点）とする方式。

割り振り方式での例を単純比較方式で再作成してみると、割り振り方式と単純比較方式との間で順位に差異が見られることが分かる。

対戦ダイアグラム（単純比較方式）

＼	A	B	C	D	E	F	G	H	合計	順位
A	－	△	○	○	○	△	△	×	+2	3
B	△	－	○	○	○	○	×	×	+2	3
C	×	×	－	○	○	○	○	○	+3	1
D	×	×	×	－	×	×	×	○	-4	8
E	×	×	×	○	－	○	×	×	-3	7
F	△	×	×	○	×	－	×	○	-1	5
G	△	○	×	○	○	○	－	○	+3	1
H	○	○	×	×	○	×	×	－	-2	6

[編集] 派生

対戦型格闘ゲーム以外でも対戦要素およびキャラ間の相性が存在するゲーム、例えばパズルゲームでもダイアグラムが作られることがある。

また漫画や小説、主にバトル要素の高い作品において、作中では戦うことのなかった組み合わせも含め、登場キャラクターの序列を作品ファンが考察する際に用いられることもある。