富山地方鉄道射水線
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射水線（いみずせん）は、富山県にかつてあった、富山市と新湊市（現射水市）とを結ぶ鉄道路線である。富山から北へ向って四方へ出て、富山湾沿いに新湊へ至っていた。
一部分は加越能鉄道に譲渡されて現在も万葉線として残っているが、大部分は1980年3月31日限りで廃止された。
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[編集] 路線データ
1980年3月31日に射水線として運営されていた区間（新富山駅～新港東口駅間）のデータを示す。
[編集] 歴史
[編集] 開業・延伸
当線は、1922年12月26日に、射水電気軌道の名前で富山駅～新伏木口駅（現：六渡寺駅）間の軌道敷設特許を受け、1923年2月20日に越中電気軌道として設立されたことに始まる。沿線の旅客や海産物、米などの運搬が目的であった。
1924年に富山北口駅～四方間6.1kmが開業。1926年に聯隊橋駅（後の新富山駅）～富山北口駅間と四方駅～打出浜駅（後の打出駅附近）間が開業した。聯隊橋駅では富山市電に接続していた。
打出浜駅前には海水浴場を開くなど集客に努めていたが沿線に人口が少ないことから業績は良くなく、1927年に社名を越中鉄道に変更し、地方鉄道補助法の適用を受けるために1928年に軌道から鉄道に変更した。
同法による補助により打出浜駅以遠の延伸が行われるようになり、堀岡、越ノ潟、東新湊、庄川口と少しずつ延長しながら1933年に新伏木口駅（新湊駅を経て現在は六渡寺駅）までの19.9kmが全通した。しかし、資金難から富山駅～富山北口間は着工できなかった。
1943年1月1日の交通大統合により、富山地方鉄道（地鉄）の射水線となった。
1951年4月1日に高岡軌道線の米島口駅～新湊駅間が開業し、同日から射水線を経由して高岡軌道線・地鉄高岡駅～富山市内軌道線・西町駅間の直通運転が始められた。新富山駅～西町駅間の乗り入れは1961年7月18日に廃止された。
[編集] 分断・廃止
富山新港の建設により射水線は分断されることになった。1966年4月に堀岡駅～越ノ潟駅間が廃止となり、高岡側の越ノ潟駅～新湊駅間が加越能鉄道に譲渡されて新湊港線となった。分断された堀岡駅～越ノ潟駅間には、渡船連絡のために堀岡駅～新港東口駅を再開、新港東口駅を設置して富山県営渡船で連絡を図ったが、乗り換えの不便のため射水線の乗客は6000人/km日から3000人/km日に半減した。
1977年8月31日から富山駅前駅への乗り入れ再開したが乗客増には繋がらず、1980年4月1日に廃止された。
[編集] 廃止後
新富山駅跡から富山北口駅跡までは道路となっている。富山北口駅跡の手前から八ヶ山駅～八町駅間までの2.175kmは地鉄の路線バスの専用道路となっており、朝のラッシュ時に富山駅行数本が運行されている。専用道の先からは農道、四方駅跡から先は自転車専用道となっている。
[編集] 年表
- 1924年（大正13年）10月12日 越中電気軌道、富山北口駅～四方駅間開業
- 1926年（大正15年）7月21日 新富山駅～富山北口駅間・四方～打出浜駅間開業
- 1927年（昭和2年）2月13日 越中電気軌道から越中鉄道に社名を変更
- 1928年（昭和3年）1月1日 軌道法適法から地方鉄道法適法に変更・以降の路線はすべて地方鉄道法によった
- 1929年（昭和4年）7月2日 打出浜駅～堀岡駅間開業
- 1930年（昭和5年）10月12日 堀岡駅～越ノ潟駅・西越ノ潟駅～新湊東口駅（現在の東新湊駅）間開業、越ノ潟駅～西越ノ潟駅間は徒歩連絡
- 1930年（昭和5年）12月23日 越ノ潟駅～西越ノ潟駅間開業
- 1932年（昭和7年）11月9日 新湊東口駅～庄川口駅間開業
- 1933年（昭和8年）12月25日 庄川口駅～新湊駅（現在の六渡寺駅）間開業
- 1943年（昭和18年）1月1日 越中鉄道が富山地方鉄道に合併、同社の射水線になる
- 1966年（昭和41年）4月5日 堀岡駅～越ノ潟駅間廃止・越ノ潟駅～新湊駅間は加越能鉄道へ譲渡され新湊港線となった。
- 1967年（昭和41年）12月1日 堀岡駅～新港東口駅間開業、新港東口駅開設。
- 1980年（昭和55年）4月1日 新富山駅～新港東口駅間廃止・射水線は全線廃止となった
[編集] 駅一覧
新富山駅 - 富山北口駅 - 八ヶ山駅 - 八町駅 - 布目駅 - 鯰鉱泉前駅 - 四方駅 - 打出駅 - 本江駅 - 練合駅 - 海老江駅 - 射北中学校前駅 - 堀岡駅 - 新港東口駅
[編集] 接続路線
- 新富山駅：富山地方鉄道富山市内軌道線（新富山駅前駅（現：新富山駅））
[編集] 参考文献
- 写真でつづる富山地方鉄道50年の歩み（富山地方鉄道、1979年）
- 私鉄廃線25年（寺田裕一 著、JTB、2003年）
- 鉄道廃線跡を歩くIII（宮脇俊三 編著、JTB、1997年）
