定足数
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定足数(ていそくすう)は、合議制の機関が議事を行い意思決定を行うために必要な最小限度の出席者数をいう。
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[編集] 概要
定足数は、議事を行うために必要な出席者数である議事の定足数と、意思決定(議決)を行うために必要な出席者数である議決の定足数に区別される。
議事の定足数は、その員数が欠けると議事を開くことができない。議事の定足数を満たさずに行われた議事は、議事を尽くしていないものとみなされ、引き続いて行われた決議は瑕疵を帯びることになる。
議決の定足数は、その員数が欠けると議決を行うことができない。議決の定足数を満たさずに行われた議決は、その合議体の議決とはみなされない。
[編集] 日本の法律における定足数
[編集] 日本国憲法・国会法
日本国憲法と国会法では、国会の定足数が定められている。いずれも、議事の定足数・議決の定足数の両者を含む。
[編集] 地方自治法
- 地方議会の定足数は議員の定数の半数(地方自治法113条)。
- 特に重要な問題に関する議決については、定足数が加重される(地方自治法178条3項など)。
[編集] 民法
民法上、社団法人の社員総会については、定足数の定めがない。したがって、2人以上の社員が出席すれば社員総会の定足数は満たすと解される。
[編集] 会社法
会社法では、会社の各種合議制機関について、定足数が定められている。
- 株式会社
- 株主総会の普通決議は、「議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席」して行うことを原則とする(会社法309条1項)。ただし、定款の定めにより定足数を排除することができる(同条項)。
- しかし、「役員を選任し、又は解任する株主総会の決議」の定足数については、定款の定めによっても「議決権を行使することができる株主の議決権」の3分の1未満にすることはできない(会社法341条)。
- 株主総会の特別決議は、「当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数…を有する株主が出席」して行うことを原則とする(会社法309条2項)。ただし、定款の定めにより、定足数を「当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権」の3分の1まで引き下げることができる(同条項)。
- 株主総会の特殊の決議については、定足数の定めはないものの議決要件が加重されている(会社法309条3項4項)。
- 種類株主総会の決議については、「その種類の株式の総株主の議決権の過半数を有する株主が出席」を原則とする(会社法324条1項)。また、同条2項所定の事項については、定足数を同株主の3分の1まで引き下げることができる(同条2項)。
- 取締役会設置会社における取締役会の定足数は議決に加わることができる取締役の過半数(会社法369条1項)。ただし、定款の定めにより加重することができる(同条項)。
- 委員会設置会社における委員会の定足数は議決に加わることができるその委員の過半数(会社法412条1項)。ただし、定款の定めにより加重することができる(同条項)。
- 株主総会の普通決議は、「議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席」して行うことを原則とする(会社法309条1項)。ただし、定款の定めにより定足数を排除することができる(同条項)。
- 持分会社
- 持分会社の社員が二人以上ある場合でも、合議体になるわけではないので、定足数は定められていない。社員が二人以上ある場合の持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する(会社法590条2項)。
- 特例有限会社
- 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)2条1項の定めにより存続する株式会社(特例有限会社。会社法施行以前の有限会社。)については、株主総会に関する特例が設けられている。同法14条3項は、特例有限会社の株主総会について、定足数を定めず、決議要件を加重している。
- 参照 - 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
- 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)2条1項の定めにより存続する株式会社(特例有限会社。会社法施行以前の有限会社。)については、株主総会に関する特例が設けられている。同法14条3項は、特例有限会社の株主総会について、定足数を定めず、決議要件を加重している。
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- 第十四条
- 3 特例有限会社の株主総会の決議については、会社法第三百九条第二項中「当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二」とあるのは、「総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の四分の三」とする。
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