孫立

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孫立（そんりゅう、そんりつ、Sun Liu）は、中国の小説で四大奇書の一つである『水滸伝』の登場人物。

梁山泊第三十九位の好漢。地勇星の生まれ変わり。渾名は病尉遅（びょううっち）である。病というのは肌色が黄色かった為。尉遅とは、鉄鞭に長け、武勇に秀でていたので、唐代の武将・功臣で鉄鞭の使い手である尉遅敬徳（うっちけいとく、尉遅恭）になぞらえて付けられたものである。他にも、槍や弓に長けている。弟は孫新。妻は楽和の姉で、従弟に解珍、解宝、義兄弟に欒廷玉（らんていぎょく）がいる。呼延灼と一騎打ちで互角に渡り合うなど梁山泊でも屈指の腕前の持ち主である。牢破りの時に中々腰を上げず、孫新夫婦から脅される形で動いたところから積極性に欠けると評価されることもあるが、裏を返せば、慎重かつ冷静な判断ができる人物だということである。

[編集] 補足

「水滸伝」物語成立以前の時代、南宋の羅燁が記した『酔翁談録』によれば、当時の話本として「青面獣」「花和尚」「武行者」とともに「石頭孫立」なる書があったことが書かれている（ただし題名だけで内容は不明）。宋末元初の周密が記した『癸辛雑記』に引く龔聖与の「宋江三十六人賛」（北宋末の盗賊団「宋江三十六人」に対する賛辞）では、第二十五位に「病尉遅孫立」の名が見え、『大宋宣和遺事』でも二十四位に名前が載っている。これらから、本来孫立は天罡星（上級幹部）36人の中に入っていたようである。水滸伝物語成立の過程において地位が低下し、現在の位置まで下がったと思われる。