妖精作戦シリーズ
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[編集] シリーズの概要
妖精作戦シリーズは、以下の4作品である(いずれもソノラマ文庫刊)。
- 「妖精作戦」 ISBN 4-257-76697-2
- 「ハレーション・ゴースト」 ISBN 4-257-76698-0
- 「カーニバル・ナイト」 ISBN 4-257-76702-2
- 「ラスト・レター」ISBN 4-257-76703-0
イラストは、旧版は、平野俊弘(初期の版の「妖精作戦」のみ若菜等)。新装版は、御米椎がそれぞれ担当した。
第1作の「妖精作戦」は笹本祐一のデビュー作である。
1989年にはNHKFM「アドベンチャーロード」でラジオドラマ化。その後カセット文庫として発売された。
1994年、刊行10年を期に新装版が発売。 イラストの変更と一部書き直しが行われた。
ライトノベル黎明期(発刊当時ライトノベルという呼び名は、まだ存在していなかった)の代表作で、その後のライトノベルに大きな影響を与えた作品である。
秋山瑞人の作品「イリヤの空、UFOの夏」は、この妖精作戦シリーズへのオマージュとも言われている。
[編集] あらすじ
[編集] 「妖精作戦」
転校生の超能力少女が超国家組織に誘拐された。 原子力潜水艦から月基地まで、同級生たちが繰りひろげる追跡劇の行方は。
[編集] 「ハレーション・ゴースト」
学園祭の準備で騒乱状態の学園を襲った、一連の怪奇現象。 その鍵を握る人物とは。
[編集] 「カーニバル・ナイト」
SCFが星南学園に送り込んだ転校生。 小牧ノブ誘拐作戦第二弾の幕が開く。
[編集] 「ラスト・レター」
厚木基地から南海の孤島へ。次いでシャトルを乗っ取り高軌道上の機動要塞へ。 妖精作戦最終章。
[編集] 登場人物
- 榊裕(さかきひろし)
- 「妖精作戦」「カーニバル・ナイト」「ラスト・レター」 における主人公
- 星南大学附属高校の2年B組。教室では沖田の前席
- 男子寮金紺館の405号室の住人
- 沖田、真田とはクラスメートで寮も同室
- 文化祭2-Bの自主映画「クレオパトラに投げキスを」のシナリオ作成者
- ダグラス・トランブルを敬愛している
- 小牧ノブ
- 「妖精作戦」「カーニバル・ナイト」「ラスト・レター」 におけるヒロイン
- 超能力者、ただし、うまく超能力を使えない
- 女子部二年二組 身長158cm 体重45キロ
- 肩のところでそろえた髪、色白。転校三日目でスナップ写真カラー五枚組が出た
- 女子寮桂木荘432号室
- 鳴海つばさ、霧野深雪とはクラスメートで寮も同室
- 田舎じゃない東から来た転校生
- メカ音痴で腕時計すらしていない
- ブラスバンド部に所属、クラリネット担当
- 尊敬する人、チャーリー・チャップリン
- 沖田玲郎(おきたれいろう)
- 「ハレーション・ゴースト」における主人公
- 男子部2-B 金紺館405号室
- 榊のクラスメートで寮も同室。教室では榊の後席、南部の横の席
- トンボメガネを愛用
- 特技はトランペット
- アメリカ育ちでブロンクスなまりの米語を話す
- 愛車はレストアしたKAWASAKI H2 750SS マッハIII
- 文化祭の自主映画では監督
- 女子部には隠れファンクラブがあるという
- 無神論者
- バリー・シーンを崇拝している
- 鳴海つばさ
- 女子部新聞部部長にして、学校新聞の鬼編集長
- セミロングヘア、肌は小麦色
- 女子部二年二組 桂木荘432号室
- 小牧ノブとはクラスメートで寮も同室
- 沖田の天敵で、つばさと沖田のどつき漫才は名物
- 木刀を愛用、北辰一刀流剣術の使い手
- 愛車はYAMAHA CZ125 TRACY を改造した銀のスクーター「必殺トレーシー」
- 尊敬する人、アメリア・イアハート
- 真田佐助
- 男子部2-B 寮は金紺館405号室
- 榊、沖田のクラスメートで寮も同室
- 13代目戸沢白雲斎を自称、手裏剣を使う。小柄である
- 理系が苦手
- パイクは持っていない、しかし免許は有り
- 体操部所属
- 雪国出身、田舎には本物の雪女の話と村正がある
- 十三代目石川五ェ衛門を尊敬している
- 南部
- 2-Bの生徒 席は沖田の横、後席は和田
- 金紺館407号室
- 自動車部部長(あみだで決まった)
- 愛車は YAMAHA RZ350R。ニトロボンベ装着で160キロからは前輪が浮くという
- またHONDA CB750FOURを復元
- 和田
- 2-Bの生徒 席は南部の後ろ
- 金紺館407号室
- 新聞部のやとわれ部員(平部員)
- ブンヤ志望
- 文化祭の自主映画ではカメラ担当
- 松田
- 「ハレーション・ゴースト」から登場
- 自然研大幹部の一人
- 寮は金紺館407号室
- 白衣を着た、いかにもマッドサイエンティストという雰囲気を漂わせる細身の男
- あだ名は「ドクトル」あるいは「マッド」
- おっとりとした物言いをする
- 人工地震の実験と称して学園の裏山にちょっとしたクレーターを作って以来有名になった
- 地震でゆれている最中に発生時間をすかさず確認するほどの冷静さと、一朝事あれば爆発物の使用さえも躊躇しない狂気をあわせ持つ
- 宮崎由紀(みやざきよしのり)
- 「ハレーション・ゴースト」から登場
- 2-Bきってのハンサムだが、その性格の軽さで有名
- 文化祭の自主映画では主演俳優
- 名前の漢字から「ゆき」と呼ばれることあり
- 演劇部所属
- 霧野深雪(きりのみゆき)
- 「ハレーション・ゴースト」から登場
- 女子部二年二組 桂木荘432号室
- 小牧ノブ、鳴海つばさとはクラスメートで寮も同室
- 教室では、つばさの隣の席
- クセのない長い黒髪を持つ
- 美人として知られ、あだ名は「姫」
- 文化祭で男子部2-Bが制作した自主映画のヒロイン役
- 華道部所属
- 氷島陽子(ひじまようこ)
- 「ハレーション・ゴースト」にのみ登場。女子部二年
- くせっ毛で童顔の女の子。うっとうしいくらい長い、くせのある前髪をしている
- 沖田より頭ひとつ分低い
- 「ハレーション・ゴースト」以外の作品に直接登場することはない
- 案内人
- 「ハレーション・ゴースト」にのみ登場
- 黒服に帽子、白手袋の男
- 平沢千明(ひらさわちあき)
- 探偵 25歳
- 国籍日本。四歳でアメリカに行って十八までそこにいたあと、世界中飛びまわっている
- 謎の依頼主から、小牧ノブをSCFからガードする依頼を受けている
- 女性のような名前だが、男性
- 平沢探偵事務所は、西新宿の喫茶店サウザント・トルーパーの2階にある
- 愛車はダークブルーのHONDA CB1100Rとモーガンプラス8
- たばこはジタン
- 通称「壊し屋のレッドバグ」
- 父の名は「乱十郎」である
- チャック・イェーガーを尊敬している
- マスター
- 神戸にある喫茶店ダイアナのマスター
- 平沢に仕事を紹介している
- 和紗結希(かずさゆき)
- 「カーニバル・ナイト」から登場。「妖精作戦」にも名前だけは出てくる
- SCFスターボウ部隊所属 少尉
- 超能力者 15歳
- 小柄、ショートカット
- 女子部2年2組の転校生
- 寮は桂木荘443号に一人で居住
- 転校初日で八枚組生写真が発売された
- 極端に無口であり、登場シーンはそこそこあるにもかかわらず、セリフは全シーンを合わせても10行ほど
- アイザック・ジルベスター
- SCF、ESP研究所のドクター。白髪
- 超心理学者(パラサイコロジスト)
- かつてロシア科学アカデミーのリビンスク研究所に所属
- キーラー
- SCFルナベース司令官
- 銀髪、アングロサクソン系
- 流暢な日本語を話す
- 諜報畑の出身
- 必要最低限の地味な言動とできる限りのすべての事をなすという主義の強引な行動で知られている
- あだ名は「氷(細工)の死神」
- 過去に平沢と因縁があるらしい
[編集] 用語説明
- 私立星南大学附属高校
- 主人公たちが通う高校
- 所在地は東京都国立
- 全寮制で男子部と女子部に分かれている
- 桂木荘
- 星南大学附属高校、女子部の寮の名前
- 金紺館
- 星南大学附属高校、男子部の寮の名前
- SCF(Sol Cosmic Force)
- 太陽系宇宙軍
- 超国家規模の宇宙軍
- 宇宙人との戦争のために作られた組織
- 本部はバミューダ
- イエローサーチ
- 赤道直下アレキサス諸島のメナシー島に存在する、特大規模の研究要塞
- SCFの太平洋地区の本拠地
- ブルーサーチ
- 高度衛星軌道上の機動要塞
- 「フランクフルトをくわえこんだドーナツ」と呼ばれるスタイルをしている
- レッドサーチ
- 火星にある有人基地
- ルナベース
- 月の裏側のヘヴィサイドクレーターにある戦闘用の有人基地
- 「妖精作戦」時で1200人規模
- マスドライバーが実用化されている
- 「クレオパトラに投げキスを」
- 星南大学附属高校文化祭において 男子部2-Bが制作した自主映画の題名
- SFアクションラブロマンス
- 監督 沖田玲郎
- シナリオ 榊裕
- 主演 宮崎由紀 霧野深雪
[編集] カセット文庫
- NHKカセット ソノラマ文庫スペシャル版1 妖精作戦1 ISBN 4-257-20301-3
- NHKカセット ソノラマ文庫スペシャル版2 妖精作戦2 ISBN 4-257-20302-1
- スタッフ
- 声の出演
- 1989年2月放送
[編集] その他
- 笹本の代表作「ARIEL」のアンソロジーコミック「エリアルコミック1」ISBN 4-257-90113-6には、妖精作戦のアンソロジー漫画(著/池田恵)が掲載されていた。
- 笹本の別作品「スターダスト・シティ」は「ハレーション・ゴースト」のあとで読むとさらに楽しめる。
- 「ハレーション・ゴースト」は、作者も認めている様に、『うる星やつら』の劇場版アニメ第2作『ビューティフル・ドリーマー』に多大な影響を受けている。
- 有川浩著「レインツリーの国」に、この小説が「フェアリーゲーム」という名で登場し、主人公とヒロインの2人が出合ったきっかけの小説となっている(参考図書としても表記されている)。