大韓民国憲法裁判所

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憲法裁判所の庁舎。なお、写真に写っている白松は韓国の天然記念物第8号に指定されている。

大韓民国憲法裁判所（だいかんみんこくけんぽうさいばんしょ、韓国語：대한민국 헌법재판소）は、大韓民国において憲法に関する判断を取り扱う憲法裁判所（特別裁判所）。現行韓国憲法（1987年制定）に基づいて1988年に設置され、「憲法裁判所法」によってその組織や職責などが定められている。なお、それ以前は、通常裁判所と憲法委員会という組織が憲法裁判所の機能を担っていた。

[編集] 裁判官

憲法裁判所は、裁判官は総員が9人であり、大統領と国会、大法院長がそれぞれ3人ずつ選出し、大統領が任命する。憲法裁判所長は、国会の同意を得て大統領が任命する。

韓国憲法第6章111条2項において、憲法裁判所の裁判官は「法官の資格を有する」ことが就任の条件として定められている。他方では、憲法裁判所法において、判事、検事、弁護士資格がある者として、国家機関、国・公立企業体、政府投資機関、その他法人で法律事務に携わった者などと規程されている。

[編集] 権限

韓国において訴願できる審判の種類は、①憲法訴願審判、②違憲立法審判、③弾劾審判、④政党解散審判、⑤権限争議審判、等がある。

憲法訴願審判：憲法が国民に保障した基本的権利を国家権力が侵害する場合、その行為が憲法に違反するか否かの是非を判定する審査のこと。
違憲立法審判：法律が憲法を違反するか否かの是非を判定する審査のこと。憲法裁判所は合憲と違憲の判定以外にも、限定的合憲、限定的違憲、一部違憲、憲法不合致、立法催促などの判断を出すことができる。
弾劾審判：一般的な懲戒による処罰ができない高位の公務員や特殊な地位の公務員を、国会が弾劾訴追した後に、その公務員の弾劾が適当か否かを判定する審査のこと。弾劾手続きが定められている公務員には、大統領、国務総理、憲法裁判所の裁判官などがいる。
政党解散審判：国内で活動する政党の目的や活動が憲法の定める秩序に違反する場合、その政党を解散・廃止させるか否かを判定する審査のこと。
権限争議審判：国家機関や地方自治体の間で生じた権限の帰属等に対する紛争の審査のこと。