大和茶
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大和茶(やまとちゃ)は、奈良県大和高原を中心とする地域で生産される日本茶のひとつ。
良質な茶の栽培には冷涼な気候が適しているとされ、大和高原はその条件に合っているので茶の栽培が奨励されてきた。月ヶ瀬梅林で有名な月ヶ瀬も茶の生産では有名な地域である。奈良県の緑茶生産量は全国第6位である。
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[編集] 表示基準
緑茶の表示基準というものが公表されており、「大和茶」として表示される以外に、生産地名からの呼称として「月ヶ瀬茶」や「福住茶」、「柳生茶」、「山添茶」という表示も行われている。[1]
[編集] 主要産地
[編集] 栽培品種
- やぶきた
- やまとみどり(奈良県在来種実生選抜)
- おくみどり
- めいりょく(やぶきた実生選抜)
[編集] 奈良県在来種について
奈良県の在来種をもとに実生から品種改良したものとして、「やまとみどり」がある。この品種は「茶農林10号」として1953年に品種登録が行われた。晩生種で樹姿直立、樹勢中、葉は長だ円形で濃緑色、耐寒性特に強く、着芽 密で収量は中である。結実性が高く、煎茶として品質優良とされる。奈良県農試茶業分場で育成された。[2]
[編集] 大和茶の由来
大和茶のおこりについては、以下のように紹介されている。 「大和茶は大同元年(806年)に弘法大師が唐より帰朝の際茶の種子を持ちかえり、これを現在の宇陀郡榛原町赤埴に播種して、その製法を伝えられました。またその際持ち帰った茶臼は赤埴の仏隆寺に現在も保存されております。 茶の実もまた同境内に「苔の園」として保存されており、これが「大和茶」の初めとも言われております。」[3]
もっとも、波多野村の住人、吉田太郎兵衛が江州の信楽からチャの実を買い入れ、約70aに蒔いたともいわれている。奈良は仏教史跡、寺院も多く、仏教との関係で茶も広まり、一方ではヤマチャも諸所にあり、それなりに利用されたとされる。[4]
[編集] 関連項目
[編集] 注釈
- ^ http://www.nihon-cha.or.jp/hyouji/hyouji.htm 日本茶業中央会ウェブサイトより
- ^ http://vegetea.naro.affrc.go.jp/cha/cultivar.htm 「農林水産省登録品種一覧表」より
- ^ 大和茶の由来について、大和茶販売(株)発行のガイドブックより引用。
- ^ 渕之上康元・渕之上弘子『日本茶全書』農山漁村文化協会、1999年、ISBN 4-540-98213-3