大前哲
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大前 哲(おおまえ さとし、1943年11月25日 - )は日本の現代音楽の作曲家。相愛大学音楽学部教授。
[編集] 賞歴
ISCMルーマニア大会入選(1999年)、グスタフ・マーラー国際作曲コンクール第2位(2000年)、ウディネ市国際作曲コンクール第1位(2003年)、第3回カミロ・トンニへ捧ぐ国際作曲コンクール入選(2004年)、ドビュッシートリオ主催国際ビエンナーレ作曲コンクール第1位(2004年)、エジディオ・カレッラ国際作曲コンクール入選(2005年)、音楽的個性に関る国際コンクール第3位(2006年)など、主に日本国外で認められることが増えている。
[編集] 作風
大阪で音楽教育を受けて松下真一に続く形でデビューしたが、仏教へ帰依した松下とは異なり、書法を研ぎ澄ますことで得られる緻密な音響美の世界を切り開いてゆく。従って声楽曲は極端に少なく、そのほとんどが室内楽作品となる。2台ピアノと打楽器奏者の為の「オン・ザ・メモリーズ」あたりの彼は、不確定性を内包した金属質の音色が輝く世界を指向したが、前衛の停滞以降は不確定性とは袂を別ち、音符は完全に確定されるようになった。特に2つの楽器のための「ダブル・トーク」は数十作を数えるライフ・ワークである。大前の作風の醍醐味がよく解る連作である。
現在の作風はフェスティバル用の書き下ろし作品となった「フェストーネ」、「アルトロ・フェストーネ」のようにメタリックな音色への興味がより一層顕著になった形で、よりいっそうの書法の練磨へ向かっている。教育用作品でもある「ジョインV」ではミニマリズムとセリアリズムの結合が計られている。この世代では例外的に創作ペースも速く、確実にイメージを総譜化できる才能が、対位法を尊ぶイタリアの音楽界を中心に受け入れられたのは必然である。
元々大前は美しい手書きの自筆譜のままでいくつか作品を出版していたが、後述する出版社を私設してからは総て出力ソフトを使用している。その時期の作品となる「ダブル・リンク」、「タイム・トレーシング」、「メモリーズ・ワンス・モア」においても、密度の高い創作態度に抜かりは無い。
[編集] 出版
大前の最近作は私設出版社のSatoshi Ohmae Music Companyから自費出版されており、その中の83作がガウデアムス財団付属図書館で閲覧できる。