多奈川町事件
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多奈川町事件(たながわちょうじけん)とは、昭和27年(1952年)3月に、大阪府泉南郡多奈川町(現岬町)で発生した事件。
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[編集] 事件の概要
1952年3月26日未明、大阪地方検察庁・大阪国税局・国家地方警察大阪府本部の合同捜査チームは、多奈川町内の朝鮮人地区を急襲し、密造酒の検挙を行った。捜査員たちはドブロクや酒造器具などの証拠物件をトラックに積んで南海電気鉄道多奈川線多奈川駅に集結した。
すると、朝鮮人約500人が押しかけ、大きな石を道路に置いたり、車のタイヤの空気を抜いたりして妨害した。合同捜査チームは、検挙は後日に譲ることにして何とか引き揚げた。その際、取材に来ていた毎日新聞社の記者が暴徒に襲われる事件が発生している。
1952年3月30日午前2時、合同捜査チーム総勢約450人が警察学校に集結した。5時頃に現地に到着し前回の被疑者を一斉に検挙した。捜査員は被疑者から糞を降りかけられたりしたが、前回ほどの集団的抵抗は無かった。
[編集] その後の顛末
この事件で、酒税法や公務執行妨害の容疑で20人が起訴された。
[編集] 参考文献
- 『大阪府警察史 第3巻』(大阪府警察史編集委員会編 1973年)