因縁解脱
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仏教 |
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縁起 四諦 八正道 三法印 四法印 諸行無常 諸法無我 涅槃寂静 一切皆苦 |
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因縁解脱(いんねんげだつ)とは、悪い因縁を無くし、煩悩の束縛から解放されて、自由な悟りの境地に達することである。 因縁とは運命を成り立たせるひとつの条件であり、基本的な原因となる「因」とそれを助成するような機縁が「縁」となる。 また、因縁解脱することを「成仏」という。 つまり、「因縁解脱」の教えを「仏教」といい、「因縁解脱」するための方法を「仏法」といい、因縁解脱した人のことを「仏陀」と呼ぶ。
しかし、現代では本来の意味からずれてしまっている感がある。
霊感商法のひとつとして、先祖親類にガンや突然死や交通事故でなくなったり刑罰を受けた人間がいたり、 身近に水子や戦没者などがいた場合、その因縁が現世に生きる人間に同じような悪影響を及ぼすと脅し、なんらかの祈祷を強要する宗教団体もある。
[編集] 因縁の種類
- 横変死の因縁
- 刑獄の因縁
- 肉親血縁の因縁
- 家運衰退の因縁
- 肉体障害の因縁 怪我 手術
- 癌の因縁
- 循環器障害の因縁
- 呼吸器障害の因縁
- 脳障害の因縁
- 中途挫折の因縁 ものごと7,8分で挫折する 男性の多い
- 夫婦縁障害の因縁 結婚生活が不運である
- 後家の因縁 30代くらいには、夫と生死別する
- 色情の因縁 男女間の問題で苦しむ 恋愛 不倫
- 運気不定浮沈の因縁 一生根無し草のような人生をあゆむ 路上生活 売春
- 夫(妻)の運気を剋する因縁 配偶者の運気をはなはだしく悪くする
- 逆恩の因縁 恩人にはなはだしく迷惑をかけ 孤立する
- 財運水の因縁 金ははいるがそれ以上に出て行く むりにためると破綻する
- 偏業の因縁 特定の職業以外では成功できない 芸能人 水商売 芸術家など
- 頭領運の因縁 人の上にたつ運命をもつ
- 番頭運の因縁 補佐にまわることにより成功する運命
[編集] 十二因縁
十二因縁 十二支縁起の法ともいう
四諦とともに並び、釈迦の理論の中核をなす教法である。 難解であるとされ、現代の学者のなかでも解釈が様々に分かれている。 また、仏陀釈尊自身が「見難く理解し難いものである」と述べている記録もある。
学者のなかでもおよそ3つの説がある。
- 1 ブッダはこの十二支縁起の瞑想法により悟りを開いたとする説
- 2 ブッダが悟りを開いたのは「四諦三転十二行法の法門」によってであり、十二支縁起の法門は、悟りを開いた後、悟りの内容を内観しておこなわれた瞑想であるとする説
- 3 ブッダは「四禅三明」で悟ったのあって、十二支縁起はその悟りののち瞑想されたものであるとする説
もっとも支持される説は。ブッダは十二支縁起の法で悟ったのではなく、悟りは四禅三明の智慧によって悟り、そののち、その悟りの内容を十二支縁起の法によって観想したのだとうものである。 いずれにしても、ブッダの悟りと十二支縁起の法門が密接なかかわりをもつことは、間違いない。
漢訳 阿含経「四衆経」、パーリ「四分律」、大衆部j系「大事」(mahavastu),などによると、
十二縁起はこのように説かれている。 「即ち、此れあるとき彼れ有り。此れ無きとき彼れなし。此れ生ずることにより、彼生じ、此れ滅することにより彼れ滅す。と。無明を縁としての行あり。行を縁として識あり。識を縁として名色あり。名色を縁として六処あり。六処を縁として蝕あり。蝕を縁として受あり。受を縁として渇愛あり。渇愛を縁として取あり。取を縁として有あり。有を縁として生あり。生を縁として老死愁悲苦憂悩あり。かくのごときが純大苦蘊の集起なり。」
この観想を順逆にしてゆくのが十二支縁起の法である。
字句の解釈
無明 真実相にたいする根源的無知
行 潜在的形成力
識 認識作用
名色 名称と形態
六処 六つの領域 眼 耳 鼻 舌 身 意
蝕 接触
受 感受
愛 妄執 渇愛
取 執着
有 生存
生 生まれること
老死 老い死ぬこと