吹奏族

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吹奏族（すいそうぞく）とは、各地の吹奏楽愛好家が公園やホールなどで開催する、吹奏楽楽器などがあれば自由に参加・演奏できる、演奏と親睦・交流を主目的としたイベントのことである。

[編集] 概要

参加にあたっては、誰でも自由に参加でき、メンバー登録などは無い。形態は一般的な吹奏楽団との比較で説明すれば、メンバーは事前申し込み制ではなく当日参加のため人数・編成は毎回異なる。楽曲は吹奏楽曲（オリジナル）を中心にポップスやクラシックのアレンジも含め一日に15~30曲程度演奏する。なお通常、これらの曲は初見で演奏するのが通例である。（持ち込み曲や難曲では軽く練習する場合もある）中には世間に広く知られた定番と呼ばれる曲も演奏するので、事実上初見とは言えない場合が多い。更に吹奏族では何十年も定番として演奏してきた曲も多い。演奏される割合も半数を超えるため事実上初見大会とは言い難い。

これらは演奏会という趣旨ではなく（中には、演奏会形態をとって開催されたものもある）、演奏する事を楽しむ老若男女が集い、演奏を中心に親睦を深める。つまり、演奏する目的あるいは対象が観客に対してではなく、演奏者自らのためにある合奏会ともいえる。（屋外等で開催される場合に通行人が派生的に観客になることはある。これをギャラリーと呼ぶ。）ただし、運営の形態やコンセプトは主催者や企画、または地域により若干異なる点もある。

運営に関しては全国規模で統括するような団体は存在せず（地域規模ではかつて存在した）、全国各地の主催者（愛好家有志）が吹奏族を開催する予定日時・場所をウェブ上などで告知し、参加希望者がそれを見て自発的に楽器を持って現地集合し、開催実行委員側で用意された楽譜を借り、または各自で楽譜を持ち込み、演奏を行なう。会場はかつては屋外が主だったが、近年は近隣騒音問題も考慮し屋内で行う場合が多い。（ただし、当てはまらない団体も多数存在する）通常、開催日は多数の参加が見込める休日である。

参加目的はみなそれぞれであるが、その多くは愛好家同士の親睦を深める為であったり、また、学校・職場の吹奏楽部や一般バンド等の所属団体などの縛りに囚われず、好きな曲目を好きなように演奏して楽しみたいという姿勢である。演奏技術などは一切問わないのが通例である。

[編集] 歴史

吹奏楽専門雑誌「BandPeople」（バンドピープル、八重洲出版:休刊）1980年10月号の編集後記に、ある編集者が「原宿のホコテンに竹の子族ならぬ吹奏族という...」と実際には行われていなかった事をネタとして書いた。これを見た読者が実際に始めた事が起源。その後、同誌を情報の中心として全国に波及した。最盛期（1980年代）には東京の原宿歩行者天国や大阪の大阪城公園で毎回数百人規模で開催されていた。また、他の多くの地方でも百人を超える規模で開催されていた。しかし現在に至るまでの中で衰退し、現在は多くて2～30名、時には一桁の参加者数になることもある。過去と現在の状況も併せて記載するのが一般的であるから故記載。

その後、1999年3月の「BandPeople」誌休刊後は一時期より大幅に衰退したが、現在でも関東、中部、関西の愛好家が各実行委員会のウェブで告知・開催するなど精力的な活動が見受けられる。しかしWikiに各実行委員会のリンクを掲載すると何者かにより削除されてしまう。