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南和鉄道 - Wikipedia

南和鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

南和鉄道
地域 奈良県
運行期間 1896年1904年
後継路線 関西鉄道、のち
官設鉄道和歌山線の一部
軌間 1067mm
本部所在地 御所市
STR
南和鉄道線
exSTR
関西鉄道

exSTR
大阪鉄道
xKBFa
高田
eABZlf
旧大阪鉄道線
STR
BHF
五条
BHF
二見
xABZlf KDSl
川端
exSTR
紀和鉄道

南和鉄道(なんわてつどう)は奈良県にあった私設鉄道で、現在の西日本旅客鉄道(JR西日本)和歌山線の一部高田 - 五条などを建設、運行していた。後に関西鉄道に買収され、さらに鉄道国有法により国有化された。

目次

[編集] 歴史

奈良県の吉野川流域には大阪鉄道が当初の広大な計画の一部として路線を建設するものと期待されていたが、実現の困難であることが明らかになってきた[1]。そのため、地元の資本で路線を敷設することになり、大阪鉄道の高田から分岐して五条に至る鉄道の敷設を申請、1893年(明治26年)免許、1896年(明治29年)に全線開通した。

高田 - 二見は吉野川水運、主に木材のために建設された路線[2]であるが、この途中に紀和鉄道が接続、五条へ乗り入れることになった。紀和鉄道とは合併契約の不履行、接続点の問題や株の買い占めなどで良好な関係ではなかったが、鶴原定吉の仲介により接続点に駅を建設して二見とし、旧二見を川端と改称した。後に二見 - 五条は紀和鉄道に貸渡した[3]

1904年に紀和鉄道が関西鉄道に営業委託したため、既に大阪鉄道を買収していた大鉄道に南和鉄道は両端をはさまれることになった。また同年、近畿鉄道合同の交渉が開かれたこともあり、12月9日付で関西鉄道に事業を譲渡した[4][5]

[編集] 年表

  • 1891年(明治24年)2月 高田 - 五条12M40Cの鉄道建設を出願
  • 1893年(明治26年)7月26日 高田 - 五条免許
  • 1896年(明治29年)5月10日 高田 - 葛(現吉野口)8M27C開業
  • 1896年(明治29年)10月25日 葛 - 五条6M42C、五条 - 二見1M71C開業
  • 1898年(明治31年)4月 紀和鉄道接続駅を五条起点78Cに二見として設置、旧二見を川端と改称
  • 1901年(明治34年)7月 二見 - 川端を紀和鉄道に貸渡
  • 1904年(明治37年)12月9日 事業を関西鉄道に譲渡

[編集] 路線・駅一覧

[編集] 車両

関西鉄道引継ぎ時は機関車5両、客車28両、貨車111両であった[7][8]

[編集] 蒸気機関車

1-3, 4(II), 5(II)
0-6-0 (C) 形タンク機 - 英ダブス社製 1895年 (1-3)、下記のCタンク売却の後1902年に増備 (4, 5各2代目)
関西鉄道:形式88・千早(ちはや)88-92
鉄道院1480形 1480-1484
4(I), 5(I)
0-6-0 (C) 形タンク機 - 米ブルックス社製 1896年
1898年、南海鉄道へ譲渡。その後、1両は博多湾鉄道汽船西日本鉄道を経て国鉄3400形に編入。

[編集] 客車・貨車

すべて密閉式客室の客車は、関西鉄道では382-401、486-493と付番された[9]

[編集] 参考文献・脚注

  • 鉄道省 『日本鉄道史』中篇、[鉄道省]、[東京]、1921年、pp. 345、363-365、484-489、580-581。
  • 川上幸義 『新日本鉄道史』下、鉄道図書刊行会、東京、1968年、pp. 246-247, 251, 255。
  • 久嶋惇徳 『紀和鉄道沿革史』 久嶋惇徳、和歌山市、1906年、pp. (6)+pl.7+190。
    • 『明治期鉄道史資料第二集地方鉄道史』3 (社史(3)-I)、野田正穂・原田勝正・青木栄一、日本経済評論社、東京、1980年。の一部として復刻)
    • スキャン画像国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  1. ^ 『日本鉄道史』中篇pp. 484-485「曩に大阪鉄道会社は高田より御所、五条を経て和歌山に達する鉄道敷設を計画したりしか幾もなくして其計画を廃したり」
  2. ^ 『日本鉄道史』中篇p. 580、『紀和鉄道沿革史』p. 67-68には貨物線と述べられている
  3. ^ 経緯と契約内容は『紀和鉄道沿革史』に見える
  4. ^ 『日本鉄道史』中篇 pp. 364-365, 487-488
  5. ^ 『新日本鉄道史』下巻p. 246
  6. ^ 『日本鉄道史』中篇 p. 364
  7. ^ 『日本鉄道史』中篇 p. 365
  8. ^ 『新日本鉄道史』下巻pp. 247, 251, 255
  9. ^ 『新日本鉄道史』下巻p. 255


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